王将戦第六局と中原十六世の引退2009/03/11 23:06

http://mainichi.jp/enta/shougi/
王将戦第六局の棋譜を見ようと上のサイトに接続したところ、トップ記事で中原十六世名人の現役引退が報じられていた。病気でずっと休場してリハビリを続けていたが、対局ができる状態まで回復できなかったという。米長に続いて中原もついに引退、時の移り変わりの早さに唖然とするばかりである。一方、最年長の有吉九段が若手の昇級候補を破り、降級点を回避して来期の現役続行が決まった。一時代を築いた名棋士たちにも、やがてそれぞれに棋士人生の晩節が訪れる。73歳現役棋士が50歳以上違う若手を負かすというのは、本気を出せばまだまだやれると自信になったことだろう。やはり内弟子で修業をした世代は鍛え方が違う。昇級を逃した若手は悪い巡り合わせだったが、それよりも大先輩の引退をかけた対局はきっと将来の財産となるはずだ。

さて、王将戦第六局は、後手の深浦が4手目△3三角戦法に出た。羽生からしてみれば想定される作戦のひとつであろう。ところが四間から中飛車に振り直したのが深浦の研究手順なのか、まったく前例のない形へと進んでいく。序盤の一手一手が長考の応酬となり、結局34手目までしか進まなかった。桂頭を狙われているタイミングで26手目△3六歩が瞠目の一手。どう応じても後手は好所に角を打つことができる。これに対して▲5九金右も予想だにしない手。本譜のように△4四角から後手の香得となったところで形勢判断はどうなのだろう。後手にも桂頭の傷があるのでバランスが取れているのか。封じ手の局面は単純に二択である。▲4四飛と飛車を切って馬を消すか、一旦は▲3三歩成として桂得しておくか、だ。

後者は盤面に馬が残るので先手の玉側の香車がない分長引けば後手が優位に立てそう。よって馬と刺し違えるしかないのだが▲4四飛△同歩▲3三歩成△同金に▲1六角と打ってみたい。こうして序盤からチャンチャンバラバラの展開は見ている分には面白いが、対局者はものすごく神経を使う。少しのミスがあっという間に敗勢につながってしまう。もしかすると明日は早く終わるかもしれない。

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