王将戦第六局は羽生が手堅い指し回しで3-3に2009/03/12 23:07

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王将戦第六局は羽生の辛く手堅い指し回しが随所に見られた。万が一にも逆転を許さないという一本ピンと張った強い意志を感じさせる勝利である。これで羽生vs深浦は先の王位戦に続きタイトルの行方は第七局に持ち越された。通常タイトル戦が行われる会場は後になるほど出番がまわってこないものだが、第七局までいけば一番盛り上がる所でもあり、注目度は高くなる。記事によると最終局は山形県の天童市で行われる。確か竜王戦の最終局も天童だった。将棋の街、天童は第七局の受け皿になることが多い。行われるかどうかわからない時点で設営の用意をする側は大変だが、こうした協力体制があってのタイトル戦、将棋界にとってはとてもありがたいことである。

本題に戻る。封じ手▲4四同飛から▲1六角は他に変化のない一本道とはいえ昨日の予想が当たったのは嬉しい。▲1六角に飛車を逃げる場所がないし、3四の地点に駒を打つのも▲4六桂がある。深浦は40手目△3四香と得した香車を埋める。ここで▲2二歩が羽生の読み筋でいい手だった。この辺りではすでに先手ペースか、の解説にもあるように微差ながら先手よしと思う。その後の▲3八角打から▲2九香となっては2五の桂馬が無条件で取られてしまい大勢が決した。粘りが信条の深浦は、なんとか差を縮めようと手を尽くすが、羽生の鍛えの入った受けでどうにもならない。投了図の▲4九桂も周囲からそうまでして勝ちたいのかという声が漏れるほどの激辛の決め手である。

最終局は振り駒であるが、お互い先手を引きたいところだ。深浦はA級陥落の振り代わりといってはなんだが夢の二冠目を奪取したい。こういうチャンスは滅多にないだけに悔いの残らない将棋を指してほしい。経験豊富な羽生はそれほど気負うことなく自然体で臨むだろう。12期目の王将を守れるか。注目したい。