将棋世界2010年2月号を読んで2009/12/30 23:23

http://www.shogi.or.jp/publish/sekai.html
年末ということで将棋世界2010年2月号がすでに発売されている。例年であれば竜王戦がちょうど佳境に入った状況であろうが、今期は渡辺が4連勝で防衛を果たし、竜王戦6連覇の特集という構成になっている。そのなかでも座談会とインタビューは渡辺の勝因について的確な分析がなされており面白く読めた。そのキーワードの一つに「この戦型の準備があった」が挙げられる。渡辺はもちろん森内だって今回の七番勝負に臨んでは勝ちやすい作戦を周到に研究し、練り上げてきている。今はパソコンで検索すれば最新の棋譜を自宅で簡単に入手できる。単純な情報合戦で優劣がつくはずはない。渡辺は後手番では堂々と飛車先を突いて相手に作戦を委ねる居飛車の王道を突き進んでいる。それだけにすべての形に対応できるよう事前の準備が必要になる。

第一局は角換わり腰掛け銀で森内の趣向に対して中終盤の受けの強さが目立っていた。第二局は先手番で敢えて相手の注文に乗らずに定跡形で研究が生きる局面に持ち込むという合理性が注目された。森内が本に書いた手に疑問の烙印を押した形になった。第三局は角換わり腰掛け銀の同型で研究合戦となったが、森内の研究の中途半端さが露見し、渡辺の深い研究が発揮された印象が強い。おそらく森内はある程度まで研究しておけば後は実戦で考えて結論を出そうと目論んでいたのだろう。昔の将棋なら研究から離れたところから力と力の読みのぶつかり合いとなろうが、現代将棋はそのまま終盤戦に突入するケースもある。逆に力が出せずじまいで終わる可能性も秘めているのだ。

それが如実に出たのが第四局。一手損角換わりで前例のある局面で優位に立てる変化を正確に評価できていた渡辺の大局観が素晴らしい。逆にいえば森内の課題局面に対する掘り下げの甘さが出てしまったといえる。もちろん渡辺の強さは研究のみにあるわけではないが、普段から実戦に出そうな局面を研究している成果が竜王戦でいかんなく発揮されたといっていい。ちなみに今の自分自身の課題局面はゴキゲン中飛車に右銀を引いて居飛穴に組む最新形である。先日の将棋大会でやられて実戦的な勝ちづらさを感じた。ぽつりぽつりプロの実戦でも見かけるが決定版はこれからとなろう。

コメント

_ 研究者 ― 2010/01/01 07:15

新戦法さん、あけましておめでとうございます。2010年も良い年になりますように。(^^;

今年も幅広いジャンルの話題を提供してください。楽しみにしています。

_ 新戦法 ― 2010/01/01 22:13

研究者さん、

新年明けましておめでとうございます。

よろしければ、本年も本ブログによろしくお付き合いのほどお願いします。

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