里見倉敷籐花が女流名人位戦の挑戦者に2009/12/10 23:51

http://hochi.yomiuri.co.jp/leisure/shogi/index.htm
いよいよ女流名人位戦の舞台に里見が登場する。女流棋士になったとき誰しも目標とする伝統ある女流名人位、今はマイナビのような大型棋戦もできたが、やはり名人という称号は将棋界に身を置く者であれば格別な響きがある。17歳の新鋭と40歳の清水の対決はまさしく新旧世代の勢力争いを象徴している。里見が奪取すれば倉敷籐花と合わせて二冠目となる。清水は現在三冠であるがここで敗れるとタイトル数で若手に並ばれる。いつかは追い抜かれる日が来るかもしれないが、まだまだ女流トップの座は明け渡す気はさらさらないだろう。女流名人位戦は五番勝負なのでじっくりとした戦いになると思われる。開幕は1月24日。この大勝負マスメディアの注目も集まるに違いない。

スポーツ報知のウェブサイトで岩根女流との挑戦者決定戦の棋譜が中継されていた。両者振り飛車党なので相振り飛車はお互いに想定の範囲内であろう。序盤の出だし数手は定跡通りだが気がついてみると見たことのない乱戦模様になっている。里見の角を右サイドに転換する作戦は初めて見た。△7二金と上がった形は盤面を左右反対にするとカニ囲い風である。中継には指し手の解説がないため取り合えず東大将棋7で棋譜解析に入れてみる。それによると、岩根が61手目▲3七桂を跳ねた手が悪手で形勢が後手番に傾いたと教えてくれる。その後は山あり谷ありだが後手優勢の局面がずっと続いていた。ところがパソコンソフトの形勢判断では112手目の△7三同玉の時に一瞬先手勝ちと出ている。これはどうしたことか謎である。

66手目△3七角成から△5九馬のような里見らしい派手な手が出て終局が近いと思われたが岩根も粘る。最後は先手玉を追い回してなんとか即詰みに打ちとった。清水との五番勝負は里見ブームが再来するかもしれない。どういう将棋になるか、楽しみである。