フランシス・X・キングのノストラダムス本2009/12/13 23:53

http://www.amazon.ca/Nostradamus-Prophecies-Fulfilled-Predictions-Millennium/dp/0312136951
フランシス・X・キングが1994年に出版した"Nostradamus: Prophecies fulfilled and predictions for the Millennium & beyond"(ノストラダムス、実現した予言とミレニアムとそれ以降の予言)を久しぶりに開いてみた。この本は大判ですべてのページに色彩も鮮やかな図版が挿入されている。これらの画像を見ていると予言解釈の展覧会を訪れたような気分にさせてくれる。見開きのページでひとつのテーマを扱っている。そこにノストラダムスの四行詩の英訳と解説が手際よく編集されており、関連する画像も合わせて生き生きとしたイメージを喚起させる。右下には見出しをつけたコラムが挿入され、伝統的な予言解釈を肉づけしてくれる。キングはノストラダムスの予言解釈を手堅く紹介している。過去予言を紹介している前半部は、画像とその注記を見ただけでどの原詩か大体わかる。それだけ通説的予言解釈を踏襲したものになっている。

本書の構成は 序 魔術、我々の運命と時間旅行 1章 ルネサンス、タイムトラベラー 2章 革命、流血、原子力 3章 魔術と獣の印 4章 ノストラダムスと恐怖の時代 5章 ノストラダムスと時の河 用語集 索引 となっている。本の内部には魔術関係の図版が載っている。著者のキングは大衆が理解しやすいようなスタイルで書くのを得意とする学際的な学者である。日本でも1978年2月、イメージの博物誌4として出版された『魔術 もう一つのヨーロッパ精神史』が澁澤龍彦氏の訳で平凡社から出ている。そこでの著者紹介では「イギリスの魔術研究家」とあり、ノストラダムスについても簡単に紹介している。『ノストラダムス』のほうは1993年までの過去予言と1993年から2100年までの未来に言及したと見なされる四行詩を取り上げている。後半はノストラダムス以外に様々な予言・予測を紹介しており、予言の事典のような様相を帯びている。

167頁のコラムには「鍵となるミレニアムの日付」というのがあり。1904、1962、2000、2001、2010、2012、2020、2160について簡単に言及している。来年の2010年はどう予測されているのだろうか。「星々の福音書の著者ピーター・ラメジャラーはフランス国立地質学協会を典拠として2010年が正しい年であると示唆している。」人類の新たな希望が始まる年になりますように。