棋王戦第五局は久保が勝って嬉しい初タイトル ― 2009/03/30 22:38

http://live.shogi.or.jp/kiou/
久保が5度目の挑戦にしてようやく念願の初タイトルをもぎ取った。以前にも書いたことだが、この一年は随分と勝ち星を稼いだけれども、この棋王戦で敗れると結果が形として残らない。2連勝から2連敗と流れは悪かったが、久保は終始落ち着いた指し回しを見せた。メンタルな面を含めて久保将棋の総決算ともいえる年度末の一局であった。対する佐藤はタイトルを持っていて当たり前という感じがずっと続いていたが、7年ぶりの無冠になってしまった。羽生を別格とすれば、これだってすごい記録である。永世称号の資格を持つ森内に次いで佐藤の肩書も九段となったのも時の流れには逆らえないということか。彼らだってもう40歳目前なのである。そろそろ強すぎる世代の後輩たちにも出番がまわってきてもいい頃なのだろう。
本局は最終局なので改めて振り駒が行われ、佐藤が先手。久保が後手番であればゴキゲン中飛車は既定路線といってもいい。注目は佐藤の作戦だが、角交換から9手目▲6八金には驚いた。前例があるとはいえ、ここに金が上がるのはいかにも筋が悪く先手の勝率も悪い。もちろん佐藤も十分に研究した上での作戦であろうが、その背景には普通の展開にすると久保の経験値が高いので持ち時間4時間の将棋では得策ではない。序盤は前例のない力戦模様に誘導して終盤の読み比べで勝負という戦略をたてたと想像する。当然ながら佐藤は自信を持って6筋の位を取ったに違いない。久保といえばサバキに定評があるが逆に長所が短所に化ける可能性もある。本局で印象に残ったのは、52手目△9七銀と9筋の香の利きに打ち込んだ手である。
このゴツゴツした感じはいかにも佐藤が指しそうだが、久保のイメージとは少しかけ離れている。ここで正確な読みを入れることで決断できたのが勝因の一つと思う。とはいえ形勢に差がついたわけではない。形勢がはっきりしたのは、6四での飛車角交換の後じっと80手目△7四銀と歩を払ったところではないか。この辺りから後手の勝ち筋になったように思うが正確には週刊将棋の解説で確認してみたい。久保棋王の誕生は今後の将棋界の勢力分布の大幅な再編を予感させる。
久保が5度目の挑戦にしてようやく念願の初タイトルをもぎ取った。以前にも書いたことだが、この一年は随分と勝ち星を稼いだけれども、この棋王戦で敗れると結果が形として残らない。2連勝から2連敗と流れは悪かったが、久保は終始落ち着いた指し回しを見せた。メンタルな面を含めて久保将棋の総決算ともいえる年度末の一局であった。対する佐藤はタイトルを持っていて当たり前という感じがずっと続いていたが、7年ぶりの無冠になってしまった。羽生を別格とすれば、これだってすごい記録である。永世称号の資格を持つ森内に次いで佐藤の肩書も九段となったのも時の流れには逆らえないということか。彼らだってもう40歳目前なのである。そろそろ強すぎる世代の後輩たちにも出番がまわってきてもいい頃なのだろう。
本局は最終局なので改めて振り駒が行われ、佐藤が先手。久保が後手番であればゴキゲン中飛車は既定路線といってもいい。注目は佐藤の作戦だが、角交換から9手目▲6八金には驚いた。前例があるとはいえ、ここに金が上がるのはいかにも筋が悪く先手の勝率も悪い。もちろん佐藤も十分に研究した上での作戦であろうが、その背景には普通の展開にすると久保の経験値が高いので持ち時間4時間の将棋では得策ではない。序盤は前例のない力戦模様に誘導して終盤の読み比べで勝負という戦略をたてたと想像する。当然ながら佐藤は自信を持って6筋の位を取ったに違いない。久保といえばサバキに定評があるが逆に長所が短所に化ける可能性もある。本局で印象に残ったのは、52手目△9七銀と9筋の香の利きに打ち込んだ手である。
このゴツゴツした感じはいかにも佐藤が指しそうだが、久保のイメージとは少しかけ離れている。ここで正確な読みを入れることで決断できたのが勝因の一つと思う。とはいえ形勢に差がついたわけではない。形勢がはっきりしたのは、6四での飛車角交換の後じっと80手目△7四銀と歩を払ったところではないか。この辺りから後手の勝ち筋になったように思うが正確には週刊将棋の解説で確認してみたい。久保棋王の誕生は今後の将棋界の勢力分布の大幅な再編を予感させる。
最近のコメント