遂に決着、王将戦第七局は羽生が勝って防衛 ― 2009/03/26 22:47

http://mainichi.jp/enta/shougi/
遂に王将戦七番勝負の決着がついた。最終局は期待に違わず大熱戦となった。羽生の多彩な戦法への対応力が存分に発揮された一局といえる。一言でオールランドプレーヤーといっても単にいろいろな戦法を指すだけではなく、その戦法独特の感覚を我がものとした指し回しというのはトッププロでも一朝一夕に成せる業ではない。盤面反転して棋譜を並べながら、改めて羽生の緩急自在の指し回しに感心してしまう。途中先行されて苦しいところもあったが鮮やかな逆転防衛劇だった。本局はところどころ羽生の冷徹な勝利への執念を感じさせる手も現れた。印象に残った手は62手目△3三歩と100手目△4一玉である。前者は一旦飛車を下ろしてからじっと受けにまわる意表の一手。前日の段階でこの辺りまでは想定していただろう。
後者は終盤にしては9分の長考を払って一旦受けにまわる手であるが、控え室の検討では△8八銀で受けなしと見られていた。実際に後手玉に詰みはない。ではどうして羽生は局後のインタビューで「他の手では危ないと思った」と語ったのだろうか。具体的には分からないが何か先手の攻防手が見えたのかもしれない。こうしたところでじっくりと腰を落ち着けて冷静に局面を見れるというのは勝負に辛いといわれる所以である。封じ手は予想が外れ、深浦は▲4六角と打った。これも一目で見えるのだがやりづらい。本譜のように激しく飛車交換になると、決定的な優劣がついてしまう恐れがある。しかし、さすがに微妙にバランスが取れていたようだ。71手目▲6三角と打って先手が好転したかと思われたが、△5二金打が大事な手駒を手放す強防手だった。
この手を境に形勢も混とんとするが、76手目△7四銀から△6五銀が幸便で、81手目▲5六桂に△6一桂も手堅い受け。将棋というものは的確に受ければそう簡単に寄らないものと再認識させられた。深浦の89手目▲4六歩に△3九竜以降はわかりやすい寄せ。最後は鮮やかな即詰みに打ちとった。羽生はこれで王将戦5連覇、通算でも12期目と圧倒的な強さを誇る。ほどなくして郷田との名人戦が開幕する。この一局を見る限り調子は上向きと見ていいだろう。8五飛戦法の再登板はあるのだろうか。
遂に王将戦七番勝負の決着がついた。最終局は期待に違わず大熱戦となった。羽生の多彩な戦法への対応力が存分に発揮された一局といえる。一言でオールランドプレーヤーといっても単にいろいろな戦法を指すだけではなく、その戦法独特の感覚を我がものとした指し回しというのはトッププロでも一朝一夕に成せる業ではない。盤面反転して棋譜を並べながら、改めて羽生の緩急自在の指し回しに感心してしまう。途中先行されて苦しいところもあったが鮮やかな逆転防衛劇だった。本局はところどころ羽生の冷徹な勝利への執念を感じさせる手も現れた。印象に残った手は62手目△3三歩と100手目△4一玉である。前者は一旦飛車を下ろしてからじっと受けにまわる意表の一手。前日の段階でこの辺りまでは想定していただろう。
後者は終盤にしては9分の長考を払って一旦受けにまわる手であるが、控え室の検討では△8八銀で受けなしと見られていた。実際に後手玉に詰みはない。ではどうして羽生は局後のインタビューで「他の手では危ないと思った」と語ったのだろうか。具体的には分からないが何か先手の攻防手が見えたのかもしれない。こうしたところでじっくりと腰を落ち着けて冷静に局面を見れるというのは勝負に辛いといわれる所以である。封じ手は予想が外れ、深浦は▲4六角と打った。これも一目で見えるのだがやりづらい。本譜のように激しく飛車交換になると、決定的な優劣がついてしまう恐れがある。しかし、さすがに微妙にバランスが取れていたようだ。71手目▲6三角と打って先手が好転したかと思われたが、△5二金打が大事な手駒を手放す強防手だった。
この手を境に形勢も混とんとするが、76手目△7四銀から△6五銀が幸便で、81手目▲5六桂に△6一桂も手堅い受け。将棋というものは的確に受ければそう簡単に寄らないものと再認識させられた。深浦の89手目▲4六歩に△3九竜以降はわかりやすい寄せ。最後は鮮やかな即詰みに打ちとった。羽生はこれで王将戦5連覇、通算でも12期目と圧倒的な強さを誇る。ほどなくして郷田との名人戦が開幕する。この一局を見る限り調子は上向きと見ていいだろう。8五飛戦法の再登板はあるのだろうか。
最近のコメント