ウォードのノストラダムス本 その22008/10/26 22:08

チャールズ・A・ウォードの著作の原題は"Oracles of Nostradamus"(ノストラダムスの神託)である。このタイトルはアナトール・ル・ぺルティエの著作を単純に英訳したにすぎない。イオネスクが評しているようにウォードは「ペルティエの解釈を焼き直ししている」(『ノストラダムスメッセージ』341頁)。先に紹介したモダン・ライブラリー版は、過去に出版された書物を信頼できるエディションに基づきながらも、万人に行き届くような廉価な本を提供するシリーズである。サン・ブックス版やドルセット版に比較すると明らかに活字の組み方が異なる。コピーライト(著作権)を見るとCharles Scribner's sons とある。1891年の初版はロンドンでScribnersが出版した。上の写真にあるCharles Scribner's sons は文字通りScribnersの息子がニューヨークで再版したようである。

本のカバーに「ウォードのエディション」という注意書きが載っている。それによると、1940年当時ノストラダムスに対する関心が高まってオリジナルの組版を生かして再版したとある。ただしウォードの本では19世紀までの解釈しか読むことができないので読者の便宜を考慮して1867年のル・ペルティエの校訂テクストから文学的な翻訳を行った。翻訳者の名前は記されていない。1672年のガランシェールの著作と1939年のフォンブリュヌ博士の著作の助けを借りている。オリジナル部分には図版はひとつもないが、補遺の但し書きのページにガランシェールの著作の表扉のカットが転載された。補遺の四行詩は適宜に選択されたものが章番号順に原文と英訳の対訳で続いている。1頁に3篇、全部で138篇収録されているが解釈は一切されていない。

http://books.google.co.jp/books?q=editions:ISBN1602062234&id=9l3g0WElAzsC
グーグルのブック検索でウォードの著作を探してみると、2007年だけでも4種類の版本が出ている。2008年のForgotten Books版では全文が公開されており、巻末には膨大な注がまとめられている。関心のある方はちょっと覗いてはいかが。

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