転職徒然草2008/10/06 23:48

http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/4101406219.html
リクルートエイブリック 編 転職徒然草 新潮文庫 2003年 を読んだ。この本はリクルートエージェントのサイトの一コーナーである「転職徒然草 転職しなくても、人生は続く~」(http://www.r-agent.co.jp/knowhow/column/)のコラムをまとめたものである。2002年2月5日までの記事を再編集している。現在でもずっと続いているが、当初に比べると更新は週1回とペースダウンしている。内容は特に転職に関するノウハウを示したということではない。転職にまつわる実話をもとにそれぞれの人生の泣き笑いを、時にはユーモラスに、時にはシリアスに描いている。リピートしているサイトは少ないのだがこのコラムはずっと読んでいる。

世の中にはいろいろな会社があって、いろいろな職種があって、いろいろな家庭環境の人がいるものだとしみじみ感じる。実在の人物をモデルにしているだけに予期せぬ事件でもリアリティがある。現在は日本の伝統的な終身雇用制は崩れている。そう何度も転職するとは限らないが、ほんの小さな偶然がきっかけで不思議な縁により会社と転職者が結びつく。考えてみると、見知らぬ人との出会いも同じことがいえる。けれども、だんだん慣れてしまって出会いの新鮮さを失ってしまうこともままある。このコラムでは転職者の人生を左右しかねないアドバイザーの微妙な立場も巧みに描かれている。

果たしてどんな人が執筆しているのか。巻末の自己紹介を見ると、もともとはリクルートエイブリックの社員のお二人が交替で書いているらしい。もっともアドバイザーという仕事を離れてもこのコラムは担当しているようで、実際の話を取材し、それをアレンジして発表していると思われる。面白い話が多いので今後も続編が出ることを期待したい。