最近のビジネス書を二冊読んだ2008/10/13 23:38

今年出版された新書版のビジネス書を2冊読んだ。この手のハウツー本は本屋の棚をのぞくと次から次へと出版されている。読者に手に取ってもらうにはテーマの魅力もそうだが、いかにしてぐっと引きつける題名を持ってくるかにかかっている。

http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/4121502833.html
樋口裕一 「人間通」の付き合い術―好印象に導くしぐさと話し方 中公新書ラクレ 2008年。
副題はいたって平凡だが本の内容をそのまま表している。いろんなケースの対人関係での適切なコミュニケーションの取り方を指南してくれる。それぞれのケーススタディは思わず笑ってしまうのもあるが、「なるほど!」と参考になる部分も多い。ところで、表題の「人間通」というのがちょっと目新しい。本を書いたのがどのような人間かを強調している。この本の内容は著者の実際の経験というよりは鋭い人間観察によって取りまとめた事例を基にしている。普段からよく人間を見るというスタンスが「人間通」の極意なのだろう。

http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/4582854168.html
大宮知信 ひとりビジネス―転身・独立で幸せをつかむ 平凡社新書 2008年。
こちらは組織や人間関係の束縛から解放された、一人親方でニッチな分野のビジネスを切り開いていった人たち20名のライフスタイルと起業術を取材したもの。世の中にはニッチな分野に様々な潜在的ニーズが内在しており、実にバラエティーに富んだビジネスプランがあると感心する。昨今のリストラや企業の倒産、年金に不安を抱える定年退職後など「寄らば大樹の陰」では生活していくのはおぼつかない。著者はそのひとつの選択肢としてひとりビジネスの世界をわかりやすく紹介してくれる。会社勤めに見切りをつけて自分の好きな分野で誰にも拘束されることなく幸せに仕事をこなしていくのは理想である。それに収入が伴えば言うことはないのだが、やはり現実は厳しいようだ。そのあたりの気になる所も行き届いているので、ひとりビジネスを考えている人には大いに参考となる本である。