竜王戦第二局は読み比べの相矢倉になった2008/10/30 23:55

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パリ対局からほどなくして本日から竜王戦第2局が始まった。第1局は羽生の芸術的な大局観に凱歌が揚がったがどこまで渡辺が戦い方を練り直してきたか、その辺りも注目してみたい。戦型は渡辺が趣向を凝らさなければ羽生が選択することになる。後手2手目△8四歩は相矢倉でも角換わり腰掛け銀のどちらでもどうぞという意志表示である。これが渡辺の最近のスタイルであるから予想の範疇である。対して羽生は矢倉を指向、後手もこれに呼応して序盤はすらすらと定跡形に進んでいく。後手は△9五歩から端に桂馬を跳ねて攻めの態勢を築くが先手は7筋から反発していく。53手目で早くも前例のない局面に突入した。

ここからが力と力のぶつかり合いとなる。どちらが読み勝つか勝負どころに近づいている。9筋で桂香交換になり先手が7筋を押さえるのはほぼ1本道の展開。67手目▲5七角と上がったところで渡辺が2時間13分の大長考の末に封じ手を行った。冷静に局面を見ても互角としか思えない。ここでの長考は持ち時間に差がつくため少々意外な感じがする。渡辺はこの局面を迎えて予定通りにいかずに苦吟していたのだろうか。それとも有力な手を発見してそれを見せたくなかったか。勝負どころとにらんで指し手に迷いがあったのか。明日の封じ手を見ればその意味が明らかになるはずだ。素人目には駒が伸びている先手を持ちたい。

後手の封じ手を予想してみる。渡辺得意の穴熊を目指す△1二香はちょっと指しづらい。将来端を攻められたとき香の頭をたたく1歩を節約されてしまう可能性がある。先手の▲5七角に対しては△3三桂が普通だろう。そこで▲6六角と出る手が考えられるが十字飛車の筋もあり大変か。いずれにしてもここ数手で形勢がどちらかに傾く公算が強い。