第22期竜王戦を展望する2009/10/08 23:57

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出張先のホテルのロビーにたまたま無料の読売新聞が置いてあった。新聞の販売促進のPRという。手に取って開いてみると、そこに竜王戦の特集記事が載っていた。昨年の竜王戦は、将棋界のスーパースター羽生と若き竜王が永世竜王を懸けた世紀の一戦で、大いに盛り上がったタイトル戦であった。それに比べると、今回盛り上がりはもう一つだが、初の永世竜王vs永世名人、5年前の再戦ということで、開幕とともに将棋ファンの熱い視線が注がれていくことだろう。読売新聞では対局者のインタビューと藤井九段、三浦八段の対談という形を取っている。週刊将棋では専門誌らしく三週に分けて見開きのページで細かく分析している。

第一回は渡辺vs森内のこれまでの対戦のプレイバック、第二回は両者のインタビュー記事とそれぞれの同期の視点というインタビューが載っている。第三回は七番勝負の見どころが掲載される予定とのこと。渡辺の同期は阿久津と橋本、森内の同期は羽生と佐藤、となかなかの豪華メンバーである。彼らの渡辺評を見てもまだどこかつかみどころのない感じを受ける。竜王という棋界最高のタイトルを5期連続で保持しているのだから強いのは間違いない。その強さがどこにあるのか、その正体がつかみ切れていないので、森内、佐藤、羽生が討ち取られてしまった印象さえある。森内「踏み込みの良さと研究」、羽生「攻撃的、玉を固める」、佐藤「的確な判断力」。

それに比べて若手の渡辺評は一致している。橋本「勝負の急所を捉える嗅覚が鋭い」、阿久津「相手が悪手を指した時の嗅覚が鋭い」。確かに渡辺はこれまでも様々なピンチを迎えてきたが、まさにその瞬間にピピッと高性能アンテナを働かせることで自分の側に勝ちを引き寄せて乗り切ってきた。森内がタイトル奪取するには渡辺のこうした得意な展開に持ち込ませないような手厚い将棋を作ることだろう。一応今回の予想を挙げておく。渡辺が変に永世竜王にふさわしい将棋と肩に力が入ると、序盤で先行されて4-2で森内奪取が想定される。これまでのようにピンチになったとき劇的な一手を指すことができれば、勝負強さを発揮して渡辺が4-3で防衛と見る。いよいよ来週の14日に開幕する。

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