ノストラダムスとピラミッドの予言2009/10/26 23:36

1950年にRodolphe Foretichという人が出した"Les predictions de Nostradamus et la chronologie prophetique de la grand Pyramide"(ノストラダムスの予言と大ピラミッドの予言年代学)という本がある。ノストラダムスとピラミッドというのは、どことなく親しい間柄のようである。本書に先駆けてバーバランが1936年に『大ピラミッドの秘密』、1951年に『世界の終わり』を発表した。時代も重なっているし、ピラミッド予言のブームでもあったのかもしれない。本書の冒頭に百詩篇3-24の「フランスよ、私のいうことに耳を傾けておくれ」を引用している。ノストラダムスの予言に基づいた警句なのである。プロローグのルイ十六世から始まって四行詩を解説していく。四行詩には連番が打たれており、「時代の終わり」の章では最後の120番目の四行詩として百詩篇10-74が載っている。18章に大ピラミッドの予言年代学が来る。

『古代人の遺言―ピラミッド・ミステリー』129頁にはこうある。「・・・イギリスで生まれた仮説で、大ピラミッドには一連の預言が組み込まれているという。内部の通廊の様式がそのまま預言を表している、との考えだ。」にわかには信じられないが、この説の信奉者たちはキリスト教世界における重大事件が示されていると信じている。ピラミッド・インチを用いて通廊の距離を測り、通廊の形を変える箇所に重要な年代が充て込まれる。最初に言い出したのが19世紀ジョン・テイラーとピアジ・スミスらしい。「インチ信者」はその後も途絶えることなく登場している。日本でもノストラダムスとの関連で紹介された本がある。上坂晨『大ピラミッドに刻まれた戦慄の大予言人類は滅亡する!』三笠書房、1983年 予言の部分は、あのピーター・ラメジャラー(同書ではレメスリアと表記)の"The Great Pyramid Decoded"(大ピラミッド予言解読)にもとづいて書き下ろしされている。

さらにラメジャラー(表記はルメジュラー)の"Gods of the dawn"が南山宏氏の訳で『宇宙からの暗号―大ピラミッドに刻まれた神々の未来計画』が2001年に出版されている。フォルティシュの本の308頁には複雑怪奇なピラミッド・インチを分析した結果、当時の近過去の年代を解明している。1940年3月24日から始まって1948年5月14,15日で終了。ラメジャラーの本は過ぎてしまった1999年の危機を力説してもしようがないので「2499年宇宙の旅」にて壮大なファンタジーで締めくくっている。