第22期竜王戦が開幕、角換わり腰掛け銀に2009/10/14 23:38

http://live.shogi.or.jp/ryuou/
いよいよ今年度の竜王戦が開幕した。これまではタイトル戦が始まる前は誰が挑戦者でも渡辺のほうに不利感があったが、今期は永世竜王の資格を得たこともあり、自信に満ちているように見える。森内のほうも久しぶりの無冠脱出を虎視眈々と狙っている。振り駒の結果、森内の先手で角換わりに誘導、渡辺が追随して純正の角換わり腰掛け銀に進む。がっぷり四つの矢倉を予想していたが外れてしまった。渡辺は同型を苦にしていないのですんなりと指定局面まで進むかと思われた矢先、森内は25手目▲2五歩と飛先を伸ばす。同型を目指すのならこの手は後回しにすることが多いので用意してきた作戦といえる。解説によると、後手の△4四歩が少し早いのを咎めに行ったらしいが、この辺はよく分からない。

先手は積極的に27手目▲6六銀と繰り出して5五の地点での銀のぶつけを狙っている。33手目▲5五銀左に△6三銀はちょっと気合が良くないが、8筋の歩を交換した実利を生かしてゆっくりした展開にしようとしている。先手は4筋に飛車を回り、自陣の整備が遅れている居玉の後手に攻めかかろうとするが、38手目△4三金とし隙を見せない。今回の対局場は比叡山の延暦寺ということで、渡辺は好物のケーキの注文を遠慮してホットとアイスコーヒーのみ。果たして2日目はケーキを注文するのだろうか。注目される。局面はどんどん進み封じ手間近でお互いに手を渡した感じである。これまで封じ手を重要視していた渡辺が永世竜王の貫禄からか、敢えて相手に封じ手番を渡したのも興味深い。どういう意図があるのだろうか。

封じ手の予想は普通に考えると、▲3六歩から桂馬の活用が自然と思う。▲4五歩と形を決めてしまうのは面白くない。相手の出方によっては銀をぶつける余地も残しておきたい。それに対して、後手の指し手も難しい。△3三桂か△7四歩あるいは様子見の△9四歩も考えられる。茫洋たる局面で今後の構想力が問われるところである。ところで、女流王位戦というれっきとしたタイトル戦で前代未聞の反則が出現した。石橋は今頃自己嫌悪に陥っていることだろう。升田幸三先生の金言「錯覚いけない、よく見る宜し」を送りたい。