第40期新人王戦は広瀬が2連勝で優勝2009/10/13 23:36

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3連休は法事で北海道の網走に行っていた。初日は雨が降ったり止んだり、湖畔はものすごい風で波打つ水面に飛ばされそうなほど。翌日はすっきりした秋晴れで予想外に気温が上がった。秋の天候は気まぐれである。とにかく無事にお努めを終えた。本日新人王戦の決勝三番勝負の第二局、ネット中継も行われた。第1局は広瀬の表芸である振り飛車穴熊、若手同士の将棋らしく双方粘り強い指し回しが印象的だった。第2局は久しぶりに大きな勝負でヒネリ飛車が登場した。これまでは竜王戦の佐藤-渡辺戦でヒネリ飛車側が敗れたこともあり、ヒネリ飛車自体が消えた戦法のテリトリーに移されてしまった感が強い。後手の堅囲いや穴熊など有力な作戦の前に苦戦を強いられてきたからだ。

棋譜を並べてみて驚いた。若手の指すヒネリ飛車はもう昔の定跡書に載っている戦法とは似ても似つかない。先手は▲7八金を上がらずに▲7五歩から▲7七桂と攻めの形を決める。それに対する後手も普通なら△7二金と上がって仕掛けを封じるところで△5二金と玉の守りを優先する。先手が7九の銀の態度を決めずに玉の囲いを急ぐと、後手も銀冠に組み上げて先手の仕掛けを待つカウンター狙い。キーワードはやはり玉の堅さである。53手目▲6五桂と跳ねたところでは先手の左辺の駒がすべて捌けた恰好で仕掛けはうまくいったようだ。とはいえ駒の損得もなくまだまだ難しいかと思っていると、57手目▲5三桂成(上図)。いかにも広瀬らしい鋭い切り込みである。69手目▲4二角も振り穴の食いつきに似た強手である。以下は素早く寄せ切った。

広瀬は順位戦では終盤の錯覚で痛い黒星を喫したばかりであったが、それを引きずることなく存分に力を発揮し、初の勲章を手にした。対して中村(太)は少し硬くなったか、持てる力を出し切れなかった感じがする。まだ21歳と若い。新人王戦は来年以降もチャンスはあるので是非雪辱を果たしてほしい。

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