フランス文学研究文献要覧のノストラダムス2009/10/04 23:57

土曜日は久しぶりに日仏会館の図書室を訪れた。借りていた本を返した後は3階の研究フロアーで書庫を探索する。するとアレクサンドル・チオラネスコの書誌が見つかった。以前このブログで「16世紀フランス文学の書誌」について紹介したことがあるが、今回のは1966年に刊行された「17世紀フランス文学の書誌」である。索引を引いてみると何点かノストラダムス関連文献が載っている。それぞれのページに当たって確認するとエチエンヌ・ジョベール、ジャン・デュヴァル、ジャン・エスピタリエ、ギノー、ピエール・ジョセフ・ド・エイツ、ジャック・ドジャン、ジャック・マンゴウの著した書誌情報が載っている。セザールの書誌には、1873年のムーアンの論文「セザール・ノストラダムスとペイレスクへの未刊書簡に関する文学的概観」と1880年の「ペイレスクの往復書簡」が見られる。前者は書誌データをもとに早速グーグルブックでダウンロードした。

チオラネスコの書誌の隣には日外アソシエーツから刊行された『フランス文学研究文献要覧』が年代順に並んでいた。この要覧は1945年から2004年まで年度別にフランス文学に関する図書を列記している。1992年の分まではコピーが手元にあるが、それ以降の分は確認していなかった。今回はそれ以降をチェックした。何故か1993年から1996年の要覧にはノストラダムスの項が抜け落ちている。1997/1998年版からまた復活している。そして1998/1999年ではその分量がピークを迎えている。第四次ブームで岩波の本や竹下氏の本など良書が登場したのが一因であろう。2001/2002年には二瓶幸次氏のフランス語で書かれた論文が目を引くが、これもネット上でアップデイト版を読むことができる。(http://gold.zero.jp/nihkj42/)そして2003/2004年の要覧にはちょっと唐突に池田邦吉氏の著作が三冊ある。

フランス文学研究文献として、どのような基準でセレクトされているのか、疑問な点も多い。要覧に挙げている文献の種別として「図書」、「翻訳」、「研究」、「紹介」があるが、例えば五島勉氏の『ノストラダムスの大予言2』が翻訳で、3、4が研究というのも違和感がある。この要覧は必ずしもフランス文学研究にきっちり収まっているだけではなく、広く一般書の類まで取り込んでいるのが特徴である。2005年以降は出版されていない。最近はインターネット上で検索できるため、こうした要覧はすでにその使命を終えたのかもしれない。

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