情報を捨てる技術2010/01/21 23:45

http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/4062573059.html
諏訪邦夫 情報を捨てる技術―あふれる情報のどれを捨てるか ブルーバックス 2000年10月20日 を読んだ。学生の頃はたまにブルーバックスの科学物を読むことがあったが最近はとんと御無沙汰であった。この本が出版されてからもう10年になろうとしている。もちろん2000年当時もインターネットはあったし、容量の大きなハードディスクも発売されていた。しかし当時と比べると電子時代の情報量は格段に増加している。情報もウェブサイトからブログ、最近はtwitterと、羅針盤のない宇宙を漂うかのように様々な形式で発進され続けている。有益なものから石ころに過ぎないものまでまさに玉石混交の様相を呈している。情報の渦のなかに投げ出されて、どのような形で向き合っていけばよいのだろうか。そう、タイトルにあるように情報を捨てる技術が肝要となってくる。

本書は著者の諏訪氏の実際の経験を踏まえて書かれている。10年前ということで情報ツールの章のソフトやOS、フロッピーディスク、MOなど今読むと当時の懐かしい香りが漂ってくる。もちろん情報は電子データだけではない。書籍や専門誌、論文、雑誌、新聞など見渡すと多種多様である。こうした情報をすべて取り込もうとするのは無理がある。本書の第1部では不要な情報を初めから「捨ててかかる」方法を示してくれる。情報に安易に手を出すことなく、初めから捨てるつもりで臨むべきという。もっとも本当に価値のある情報だけをピックアップするにはある程度の眼力を養っておかなければならない。外国の情報は英語だけで十分というのは、ちょっと乱暴かもしれないが学問的な分野ではもっともなことである。インターネットのアクセスリミットは10分とすれば、無駄な時間とエネルギーを節約することができる。

パソコンであればどんどんデータをハードディスクに蓄積していける。マウスのクリックひとつで簡単に削除することで捨てることは可能である。しかし、いつか必要なときが来るのではないかと思い悩みながら、なかなか捨てることができない。そこで捨てる勇気をもつ。パソコンのハードディスク内、ファイリングキャビネット、本棚・・・それらの容量は有限であり、どんどん増え続ける。自分自身もこの本のアドバイスを手掛りに少しずつ捨てる勇気を出していかなければ。

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