グズの人にはわけがある2010/01/19 23:53

http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/4890369686.html
Dr.リンダ・サパディン/ジャック・マガイヤー 斉藤勇訳 グズの人にはわけがある 文春ネスコ 1998年3月2日 を読んだ。紀伊国屋で検索すると、文庫版も出ているようでこちらは在庫ありとなっている。本当はやらなければいけないことがあるにもかかわらず、何だかんだと先延ばしするグズな人はどうすれば立ち直れるのだろうか。自分もどちらかといえばいろいろな用事を先延ばしするような場面が多いような気がする。あるいは周囲にもやるべき課題が目の前にあるというのに、タラタラ言い訳を並べて先延ばしする人間がいかに多いことか。そう、人は多かれ少なかれこうした特性を持ち合わせているのだ。そういう意味でもこの本は自分自身を見つめ直す良きカウンセラーになるかもしれない。

タイトルにあるグズの英語はprocrastination、辞書を引くと、「ぐずぐず延ばすこと、引き延ばし、先送り、遅延、優柔不断」とある。このグズを6つのスタイルに分けている。章立ての見出しにもなっているので引用しておこう。1.完璧主義者タイプ 2.夢想家タイプ 3.心配性タイプのグズ人間 4.反抗者タイプ 5.危機好きタイプ 6.抱えこみタイプ。これだけ読んでもどんなタイプのグズ人間か薄々わかるだろう。心理学者である著者は自分のクライアントの実例を挙げながら、実に論理的に分析して解説してくれる。ポイントとなる点については太字のゴチックで示してくれる。こうしたグズ人間は表面的には至ってまともであるが、実は内面の奥底でトラウマのような要因があるのだという。それぞれのパターンのグズ人間に対して、どうやって立ち直ればいいのか、具体的に丁寧に示してくれる。

そのなかでなるほどと思ったのが、イメージトレーニングである。例えば、抱えこみタイプのグズ人間に対して・・・目を閉じて深呼吸してリラックスして頭のなかを空っぽにする。林のなかを歩いている自分を想像する。小道をどんどん進むとV字の分岐にたどり着く。一つの道を進んでいくと道がなくなり迷ってしまう。正面前方に見える塔まで歩き階段を登っていく。そこで分岐したもう一つの道の先に探していた宿があるのに気付く。宿に入ると心地よい椅子に腰かけて、自分の進むべき道をコントロールできたプライドと心のやすらぎを堪能して目を開ける。細かい部分は端折ったが、要は成功体験を先にイメージすることで自己改良することができるのだ。何かとストレスをためがちな現代人には有益な書ではないだろうか。