恐怖の大予言ミステリー99 ― 2010/01/17 23:50
http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/4575301884.html
南山宏監修 恐怖の大予言ミステリー99 双葉社 2010年1月10日発行 を読んだ。少し前に紀伊国屋のブックウェブ上で知ったが、最近になってコンビニで見つけて購入した。価格は500円。ノストラダムスと予言について、「第6章 ノストラダムス間違ったのは誰だ?」でファイル70から75で触れている。海外のノストラダムス本の訳書を何冊も手掛けた南山氏の監修だから少しはまともな内容かと期待してみたが、類書に違わず安直でデタラメな書き飛ばしである。まあナントいうかトイレの落書きのような印象である。正確な情報を伝えるというよりは、読んで面白ければ偽情報でもなんでも取り込もうとする無節操ぶりには唖然とする。ファイル70では冒頭から中世ルネサンス期なんて聞きなれない表記がされている。それどころかファイル71では単にルネサンス期とあり、明らかに一貫性に欠いている。
さらに最悪なことに、ファイル70、71では五島氏の最初の『大予言』にのみ登場する数々の創作エピソードや実際には存在しない予言集11-6の創作詩をわざわざ取り上げている。引用されている予言集の画像(183頁)や解説書の画像(125頁)は、ウィキペディアから転載したと思われるがどこにも言及がない。もっともウィキペディアをきちんと参照していれば、今頃になって架空のエピソードを挿入するなんてあり得ないのだが。ファイル72では最近話題になっている予言絵画を取り上げている。絵の余白に四行詩が書き添えられているものがあるというのは嘘である。原本を見てもラモッティが引用している予言詩はどこにも見当たらない。また187頁の「ノストラダムスが友人に当てた(宛てたが正しい)直筆の手紙」というのも間違い。ジャン・モレルへの手紙と混同したものか。実際は遺言書補足書の最終頁である。
ファイル74では、性懲りもなくクロケットの極秘予言を取り上げている。「疑問は、なぜこれらの詩を発表せずに、自宅に隠したのかということだ。研究者の間では、ノストラダムスが世間に公表されるのを望まなかったからだとする説が有力視されている」まず自宅から見つかったという事実が存在しない。実証的な立場の研究者によりクロケット本が出た当時から否定されている。さらにその極秘予言とキャプチャーされている手稿の画像を載せているが、これもデタラメの極致。よく見れば、ヴァティチーナ、ミカエリ・ノストラダミとあり、二つの手稿は予言絵画の冒頭に置かれたものである。インターネット上から入手した画像であろう。下のウェブサイトには中世の預言に関連する『教皇預言集』やノストラダムスの予言絵画の画像が集められている。関心のある方はのぞいてみたらいかがであろう。
http://homepage.mac.com/sevenstarhand/Vatican_Evil_Illuminated/index2.html
南山宏監修 恐怖の大予言ミステリー99 双葉社 2010年1月10日発行 を読んだ。少し前に紀伊国屋のブックウェブ上で知ったが、最近になってコンビニで見つけて購入した。価格は500円。ノストラダムスと予言について、「第6章 ノストラダムス間違ったのは誰だ?」でファイル70から75で触れている。海外のノストラダムス本の訳書を何冊も手掛けた南山氏の監修だから少しはまともな内容かと期待してみたが、類書に違わず安直でデタラメな書き飛ばしである。まあナントいうかトイレの落書きのような印象である。正確な情報を伝えるというよりは、読んで面白ければ偽情報でもなんでも取り込もうとする無節操ぶりには唖然とする。ファイル70では冒頭から中世ルネサンス期なんて聞きなれない表記がされている。それどころかファイル71では単にルネサンス期とあり、明らかに一貫性に欠いている。
さらに最悪なことに、ファイル70、71では五島氏の最初の『大予言』にのみ登場する数々の創作エピソードや実際には存在しない予言集11-6の創作詩をわざわざ取り上げている。引用されている予言集の画像(183頁)や解説書の画像(125頁)は、ウィキペディアから転載したと思われるがどこにも言及がない。もっともウィキペディアをきちんと参照していれば、今頃になって架空のエピソードを挿入するなんてあり得ないのだが。ファイル72では最近話題になっている予言絵画を取り上げている。絵の余白に四行詩が書き添えられているものがあるというのは嘘である。原本を見てもラモッティが引用している予言詩はどこにも見当たらない。また187頁の「ノストラダムスが友人に当てた(宛てたが正しい)直筆の手紙」というのも間違い。ジャン・モレルへの手紙と混同したものか。実際は遺言書補足書の最終頁である。
ファイル74では、性懲りもなくクロケットの極秘予言を取り上げている。「疑問は、なぜこれらの詩を発表せずに、自宅に隠したのかということだ。研究者の間では、ノストラダムスが世間に公表されるのを望まなかったからだとする説が有力視されている」まず自宅から見つかったという事実が存在しない。実証的な立場の研究者によりクロケット本が出た当時から否定されている。さらにその極秘予言とキャプチャーされている手稿の画像を載せているが、これもデタラメの極致。よく見れば、ヴァティチーナ、ミカエリ・ノストラダミとあり、二つの手稿は予言絵画の冒頭に置かれたものである。インターネット上から入手した画像であろう。下のウェブサイトには中世の預言に関連する『教皇預言集』やノストラダムスの予言絵画の画像が集められている。関心のある方はのぞいてみたらいかがであろう。
http://homepage.mac.com/sevenstarhand/Vatican_Evil_Illuminated/index2.html
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