華麗なる古都と古城を訪ねて2009/07/12 23:28

http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/4122051223.html
藤本ひとみ 華麗なる古都と古城を訪ねて 中公文庫 2009年2月 を読んだ。ノストラダムスに関する章があると知って購入しようと思っていたが、なかなか書店に置いていなかった。最近近所の書店で見つけてようやく入手した。本書のタイトルにもあるように、藤本氏が訪れた古都と古城について記した紀行のような体裁を取っている。現地で入手した資料に基づいた歴史的な背景の記述、自らシャッターを押したらしい豊富な図版の挿入など、著者にお供してその場を訪れたような感覚を味わうことができる。実際に自分が古城巡りに行く際にはガイドブックとしても重宝するに違いない。

ノストラダムスについては「華麗な古城ブロワ 大量虐殺の王妃カトリーヌ」と「占星術の古都サロン・ドゥ・プロヴァンス 伝説の予言者ノストラダムス」で言及されている。20頁には例の1999年の予言について書かれている。「1999年は、当時信じられていた千年王国の終りの年であり、それになぞらえて数字を入れ替えたもの」として、以前小説で使用したアンリ二世の死去を謳ったいう解釈を通説と紹介している。もともとこの解釈は藤本氏の参考文献にあるルイ・シュロッセの"La vie de Nostradamus"(ノストラダムスの生涯)の253頁が元ネタである。しかし通説といえるほど一般的な解釈かといえば疑問も残る。

この解釈は、フィリップ・ギヨームの"Nostradamus: l'exploitation seculaire d'un fonds de commerce"(ノストラダムス、商業的下地の百年毎の搾取)226頁やマーク・リュニの"Nostradamus Les Centuries"(ノストラダムス、百詩篇集)405頁に見ることはできる。とはいえ、年数にある9から5への入れ替えに関して、ブランダムールらの注釈で言及されておらず広く人口に膾炙したものとは言い難い。本書で藤本氏の描いているノストラダムスは、伝記の部分にも多少の脚色が見られるため注意が必要である。

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