いよいよ注目の竜王戦が始まる2008/10/18 23:20

http://live.shogi.or.jp/ryuou/
初代永世竜王をかけた注目の竜王戦がパリで開幕した。今回はウェブ上で梅田望夫氏がリアルタイム観戦記を書いているがこちらも内容が濃く楽しみである。前評判が羽生ノリなのはやむを得ない。もっとも渡辺だって越えなければならない大きな壁に対して十分な秘策を練ってきたことだろう。振り駒の結果渡辺が先手番を握る。まずはお互いに様子見の矢倉かと予想したが、羽生は後手一手損角換わりを選択。渡辺はわかりやすく棒銀の構えを取るが後手右玉の構えを見て銀を繰り変える。予想された戦型の一つだけに用意しておいた作戦だろう。渡辺としては余裕はない。第一局は先手番でもあり是が非でも取りたいところだ。

ネット中継も時差がある。日本ではもう真夜中であるが現地ではようやく封じ手の時間となった。ここまでの渡辺の戦略を分析してみると、後手一手損角換わりには棒銀を見せて相手の右玉を誘う。それを見て自陣は穴熊に囲う。終盤攻め合いになればこの貯金が絶対に生きてくる。この戦術がシステム化すれば流行の一手損角換わりも激減するだろう。そのエポックになりうる大勝負であるが、渡辺としてはともあれ結果を出すことが先決である。封じ手の局面は▲2四歩。次の指し手の△2四同歩▲同飛は絶対手なのでお互いにオープンな状態で局面を考えることができる。その後の後手の指し手は選択肢が多い。

単純に歩を打つことは考えれないので後手は先に攻めてみたい。具体的にどう指すのだろうか。局面を反転して考えてみる。一目△6五歩と突いて先手の形を薄くしておきたい。▲6五同歩なら△同桂▲8八銀の展開が想定される。今後の展開が楽しみである。