スワンからザ・トランペットが届いた2008/05/02 23:31

スワン・オークション・ギャラリーから「ザ・トランペット」22巻3号(2008年春-夏号)が届いた。以前リュゾの膨大なノストラダムス・コレクションを二度扱ったオークションサイトである。ざっと中身を読んでみたが今回特にノストラダムス物の出展はないようだ。プレヴューに載っているのが1630-59年のレムブランドのエッチングで、画像に見るのは1655年のアブラハムの生贄、評価額30000-50000ドルとお値打ちものである。ノストラダムスのコレクターで思い浮かぶのは、アベ・エクトール・リゴーである。アミアンに近いアングーブレの司祭で、19世紀のサンチュリの注釈者、トルネ・シャヴィニィ神父の弟子にあたる。

リゴーは、全ヨーロッパ中でノストラダムス作品群を探求することに身を捧げた。大図書館では最もレアな版本の複製を制作したり、世界で唯一のコレクションを継承していた。予言集のなかに見出されるのは、フランスの最終勝利までにヨーロッパが戦争のために疲弊し廃墟で覆われる様。彼は未来の世代のために、知られざる軽んじられたテクスト―百詩篇と予兆詩の理解を助けるもの―を必死に守ろうとした。友人であり印刷業、出版業を営んでいたアンリ・ドゥーシェ―アミアンの管区に住んでいた―がそれを請け負った。アンリ・ドゥーシェは1898年アベ・リゴーと面識を持った。1900年から1914年の間にアルマナやほかの未刊の作品2,300の標本の活版印刷を行った。

これらの版本は売りに出されず、数人の友人に渡されただけだった。これらのコピーの保管場所は1918年に爆撃された。その後復興されたが第二次大戦中に再び破壊され、わずかなコピーしか残らなかった。一部はマリオのライブラリーで見ることができる。貴重なノストラダムス・マテリアルの消失、返す返すも残念でならない。

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