四行詩の分類法2008/05/01 23:52

久我勝利氏の『知の分類史―常識としての博物学』を読み始めた。分類という作業自体は古代ギリシャの時代から系統だって行われてきたようだ。これを読んでふと頭に浮かんだのが、ノストラダムス予言集の四行詩の分類法である。この分類の仕方そのものに光を当てて考察したというのはなかったと思う。一番単純なのは四行詩を時代ごとに分けるといったものだが、そこには予言が的中したという解釈のフィルターが介在される。もっともポピュラーなのがエドガー・レオニの分類で、四行詩の主題別索引で概括的な分類を試みている。四行詩に地理的記述がなされているか匂わせているもの(63%)、地理的記述が一切ないもの(37%)。

未解決、謎の名称を含んでいる詩、時が明示された詩、そのなかには年号が入ったもの、年数を含むもの、惑星の星位が表示されているものを含む。ダニエル・リュゾは予言の暗号を解読する鍵として、四行詩のテーマ分けによるグループ化を提唱している。暴君、叫び、水、クリスタル、飢え、ペスト、飢えとペスト、平和、壺、財宝、寺院、円柱、墳墓、大ローマ人、洪水、天の火など。岩波の『ノストラダムス予言集』では四行詩の内容から分類を試みている。悪天候(雷、嵐など)、暗殺、異教、王権、黄金時代、イスラム、怪物、飢餓、洪水、地震、教会、占星術、戦争、騒擾・一揆・掠奪、空の幻、天体現象(流星、彗星、火など)、ペスト、錬金術。

最近で目新しいのは四行詩のソースによる分類であろう。ミラビス・リベル、ユリウス・オブセクエンス、リヴィの『ローマ建国史』、ルーサ、スエトニウスの『ローマ皇帝伝』など。分類のしかたというのも各々の個性が現れて面白い。