二十一世紀に希望を持つための読書案内2008/05/26 23:31

http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/4480042415.html
筑摩書房編集部編 二十一世紀に希望を持つための読書案内 ちくまプリマーブックス141 2000年 を読んだ。出版されてから8年も経っているのに、紀伊国屋のブックウェブで見ると入手可能のようである。この本は近所の紀伊国屋でのバーゲンブックのセールで見つけて購入した。価格は定価1300円の本が480円にディスカウントされている。アメリカなどと違い返本制度があるので、日本の本屋さんは基本的に勝手に値引きして売ることができない。バーゲンブックの場合、本の底面にマルBのハンコを押すことで買取扱いで値引きして店頭に置くことができる。たまにこうしたフェアを見つけるとついつい買い込んでしまう。このときももう一冊『ギリシャ歴史の旅』を手に入れた。

さて本題に入ると、本書は著名な作家や評論家、約50名が豊富な読書経験をもって紹介する読書案内である。コンセプトは表題にあるように21世紀に希望が持てるようになる本で、学生を対象としている印象だ。これを見るといろいろな本の読み方があるし、様々なジャンルの本が取り上げられている。自分の貧しい読書フィールドを振り返ってみるとまず長編の小説は読んだことがない。いわゆる古典なども食わず嫌いであった。各々の先生方の文章はさすがに高尚な文体でしかもわかりやすい。思わず推薦図書を読んでみたくなる気にさせるのも少なくない。加藤周一氏の「『論語』のすすめ」が一番共感できたかもしれない。氏によるとキリスト教の『聖書』、イスラーム圏の『コーラン』に匹敵する漢字文化の古典が『論語』である。

たぶん高校の古典の時間に読んだきりほとんど縁がなかったが、なんとなく気になって講談社学術文庫の『論語』を購入した。『論語』は解釈の幅が広いらしい。孔子の言説の多くが断片的で意味を推定するのに多くの要素が作用する。そのため本文のみならず注釈の読み比べも面白いという。ちょこっと予言集にも通じるものがあるかもしれない。文庫だが500頁を超す本なのでゆっくり味わってみたいと思う。