アントワーヌ・ベソン版ノストラダムス予言集 ― 2008/05/06 23:38
ノストラダムス雑記帳のブログ(http://geocities.yahoo.co.jp/gl/nostradamuszakkicho)を読むと、アンリ二世への書簡の対訳が順調に進んでいるらしく、日本で初めての本格的な訳文と注釈に大きな期待を寄せている。宮下史朗氏によるモンテニューの新訳『エセー3』の終りにはアントワーヌ・コンパニョンによる「フォルチュナ・ストロウスキの後悔」という論文の翻訳が載っている。主に『エセー』の1595年版とボルドー本のエディションに基づいて校訂テクストの底本について考察している。ノストラダムス予言集でいうと初版のボノム版についてはブランダムールによる優れた校訂テクストがある。それ以外については各エディション間の比較分析した校訂テクストは今のところ存在していない。
今回のアンリ二世への書簡の対訳はsumaruさんの豊富な書誌学上の知見が盛り込まれるはず。その中でベソン版の予言集に収録された簡易版の訳文もおまけにつくというから楽しみだ。ベソン版予言集のオリジナル画像はアルブロンのライブラリー(http://www.propheties.it/halbronn/index.html)で閲覧することができる。これを見ると、ユタン本に載っている、ノストラダムス本人や息子セザール、アンリ二世らの肖像の出所がこの版本であるとわかる。指摘されているようにセザールへの序文もわずかに9頁(ボノム版では14頁)にすぎない。そして重大なヴァリエントも存在する。有名な予言の期限とされる年代、3797年(アヴィニョン系では3767年、こちらは誤植と見られる)が1767年になっている。
ベソン版が印刷されたのは1691年ごろであるから、この年代は当時から見ると76年後という近未来に相当する。単純な誤植の可能性もあるが、センセーショナルな話題作りのためにわざと改変したのだとしたら、ベソン版自体のテクストの信頼性は著しく損なわれよう。
今回のアンリ二世への書簡の対訳はsumaruさんの豊富な書誌学上の知見が盛り込まれるはず。その中でベソン版の予言集に収録された簡易版の訳文もおまけにつくというから楽しみだ。ベソン版予言集のオリジナル画像はアルブロンのライブラリー(http://www.propheties.it/halbronn/index.html)で閲覧することができる。これを見ると、ユタン本に載っている、ノストラダムス本人や息子セザール、アンリ二世らの肖像の出所がこの版本であるとわかる。指摘されているようにセザールへの序文もわずかに9頁(ボノム版では14頁)にすぎない。そして重大なヴァリエントも存在する。有名な予言の期限とされる年代、3797年(アヴィニョン系では3767年、こちらは誤植と見られる)が1767年になっている。
ベソン版が印刷されたのは1691年ごろであるから、この年代は当時から見ると76年後という近未来に相当する。単純な誤植の可能性もあるが、センセーショナルな話題作りのためにわざと改変したのだとしたら、ベソン版自体のテクストの信頼性は著しく損なわれよう。
最近のコメント