真部八段の訃報2007/11/26 23:53

http://www.shogi.or.jp/osirase/2007-1125_manabe.html
すでにいろいろなニュースサイトで報じられているが真部八段(11月24日付で九段追贈)が急逝された。直接の関わりがあったわけではないが衝撃が走った。ついこの間順位戦を戦ったばかりの現役棋士だったからだ。真部は棋界の太陽中原の次世代を担う若手のホープとして棋界のプリンスと目されていた。A級まで昇級したもののタイトル戦登場がなかったのは当時を想うと物足りなさが残る。しかし真部は独特の将棋評論という分野を切り開いていった。『升田将棋の世界』は名著である。

最近の将棋世界の12月号にも将棋論考vol.129が載っている。10年以上も内容の濃い原稿を書き続けたことになる。その内容は論考にふさしくな真部の豊かな観点に基づいて将棋界の出来事をわかりやすく分析している。今月のイントロは羽生の王座16連覇と中原の1300勝。そして大山-中原戦の実戦譜の解説。真部の大山論や升田論は見方が斬新でその巧妙な切り口は読み物としても技術論としても一級品だった。居飛車穴熊に対して三間飛車が△6五歩から△6四銀、△6三金と構える真部流も思い起こされる。居飛穴の出現当初は振り飛車側の有力な対抗策とされていた。

それにしても55歳は若すぎる。少し前に休場のインフォメーションがあったので病気で入院したのかとは思っていたがまさかこんな急とは・・・合掌。