竜王戦第四局は渡辺の完勝で防衛まであと1勝2007/11/22 23:52

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帰宅後、竜王戦中継サイトを見るとすでに終了していた。結果は渡辺の勝ちで両者の対局では鬼門ともいえる先手番を見事にキープした。棋譜を並べながら解説を読める本サイトは、将棋界の最高棋戦にふさわしい充実したコンテンツと改めて感じる。これが無料であるのは本当に頭が下がる。とにかく竜王戦が大きく注目されているのは衆目の一致するところである。本局の渡辺は安定していた。これまでも竜王戦では素晴らしい棋譜を残しているが、渡辺のどこに強さがあるのか未だに霧に包まれている。仲間うちでは総合力の強さ、実戦的な強さといわれる。本局はその長所が存分に発揮されたのではないか。

さっそく振り返ってみる。封じ手は予想が当たり△5五歩だが、局後の佐藤の感想ではここでは作戦負けを感じていたという。昨日うんうんうなって考えていたからその感覚はよくわかる。△2二飛△3三銀の形は絶好のタイミングで動けないと居飛車穴熊側がどんどんいい形になっていく。本譜はお互いに筋違い角を打ち合ったが先手が3四の歩を角で取れると桂頭を攻める手があって手に困らない。佐藤は△2一飛から9筋に転換する含みを見せたが実現しなかった。73手目の▲7五歩が佐藤の見落としていた好手。これで角を8七から使える展開になって勝勢を築き上げた。

渡辺の自玉は鉄壁の要塞のなかに納まっているので後は確実に攻めればわかりやすい一手勝ち。最後は読み切って鮮やかな即詰みに打ち取った。とても順位戦で降級争いをしているとは思えない強さだ。佐藤のほうはこれで後がなくなった。次の先手番は相矢倉で存分に力を出し切ってほしい。