仕事で本当に大切にしたいこと2007/11/17 23:56

http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/4761261773.html
大竹美喜 仕事で本当に大切にしたいこと―自分を大きく伸ばすために かんき出版 2004年 を読んだ。テレビではアヒルを登場させたアフラックのCM(他にもある)が大量に流れている。この著者は日本のアメリカン・ファミリーの創業者であり最高顧問である。今ではどこでもやっているがん保険をはじめて商品化して成功を収めたという。がんが不治の病として恐ろしいことには変わりはないが、昔と今ではその受け取り方も変わってきている。早期に発見されれば十分治療も可能である。がん保険は浸透する地盤が着実にできてきたといえる。

この本は著者の経験をもとに悩めるビジネスマンに対してメッセージを送ったものだ。各章ごとに節にわけてそれぞれポイントとなる言葉を見出しに持ってきている。見出しだけ読んでも内容が読めてしまう。本としてはまとまっていてよくできている。これを読んで参考になる人も多いだろう。しかし書いていることは自らの立身出世の話で、見出しにあるテーマも今までどこかのビジネス書で読んだことのあるものばかりだ。人間六十歳も半ばになると、これまでの人生を振り返ってみたくなるものなの。ビジネスマンでやってきた人なら書く中身もおのずと仕事が中心とならざるを得ない。

いくら美辞麗句を並べてみても実際の現場で役に立たないとしょうがない。著者の経験自体は当然固有のものであるから時代も変われば状況だって変わってくる。その中でこれはというモットーは、今までも言い尽くされた感は強いが「知恵の宝庫、古典から学ぶ」である。人間の本質は時代が変われどそうは違わない。それこそ生きるヒント、経営のヒントが隠れている。今後も古典や歴史(哲学はちょっと難しすぎるが)を自分なりに摂取していければとしみじみ思う。