竜王戦第四局は後手佐藤の一手損角換わり振り飛車に2007/11/21 23:12

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竜王戦第四局の一日目が終了した。ここまで渡辺の2勝1敗。負けた将棋も終盤まで勝勢だったのをポカで落としたもので、本人も言うようにここまではいい感じで戦っている。対して佐藤康はなかなか調子が上がらない。順位戦も深刻であるし、ここらで流れを変えたいところだ。佐藤の底力を発揮すればまだまだ奪取の可能性もあるし、A級だって落ちるとは思えない。竜王戦の中継サイトプラスを見ると、この二人の対戦では後手番の勝率が七割と書いている。将棋は長年の統計を見ても先手が少し有利なゲームであるのは確実である。それなのにこの異常な勝率はどこに要因があるのだろうか。

本局は佐藤の後手番で、大事な一局に託した戦型は後手一手損角換わり振り飛車となった。佐藤はよく採用しているが勝率はあまり芳しくない。とはいっても後手番で矢倉を受けるよりは作戦的に主導権が握れるはずだ。序盤は佐藤得意の△4二飛を省略した向かい飛車に構え▲6五角を打って来いと乱戦を誘ったが、渡辺は相手の注文とみて玉を固める自分のスタイルを堅持した。結局居飛車穴熊に組み上げた。対して後手は銀冠に組めていないのが痛い。封じ手の局面は後手の指し手が難しい。先手は穴熊に囲っているので少々の乱暴はきくが、後手は仕掛けでポイントを挙げなければいけないのでここ数手が勝負所だろう。

恒例の封じ手を予想してみる。普通は銀冠を目指す△8三銀なのだが、この場合には▲3一角の筋があり先手に戦機を与えてしまう。随分と考えたがどういう方針にするか迷う。取りあえず△5五歩としておこう。