竜王戦第三局は羽生の勝利で永世竜王にあと1勝2008/11/14 22:53

http://live.shogi.or.jp/ryuou/index.html
渡辺にとっては厳しい現実が突きつけられた。あっという間に後がなくなった。相手が羽生とはいえ渡辺自身も竜王4連覇の実績による自信と誇りがあったはず。それがここまでは見せ場も作れず3連敗と打ちのめされている。タイトル戦はまだ終わったわけではないが、事実上の終戦といえる。開幕前のインタビューで「自分がだらしがないとタイトル戦が盛り上がらなくなる」と語った通りになっているのは皮肉である。ここまでの将棋を見ると明らかに力負けしている。羽生にしてみれば渡辺の成長は脅威に映るだろう。近い将来タイトルを奪っていく可能性のある相手ならここは一旦は貫禄を見せておく必要がある。

封じ手は予想したように△2九飛成。これは誰でもわかる手である。では何故あれほど大長考したのだろうか。その回答は53手目▲5二歩に対する△4一玉にあった。普通ならいったんは△5二同金と取ってから考えるところだろう。一目先手に有力な手がたくさんありそうだ。しかし羽生は読み切っていた。渡辺もここを勝負どころと見て長考に沈むが思わしい手がない。こうした緩急を織り交ぜた指し方は羽生のもっとも得意とするところ。指し手が進むにつれて先手の切れ筋が明らかになっていく。渡辺にしてみると今更ながら羽生の懐の深さを感じ取ったことだろう。最後は手堅い寄せで渡辺を押し切った。

かつて将棋雑誌の座談会で羽生と100番指したらどのくらい勝てるかという話題になったとき、確か渡辺は40番は勝てると発言したことがある。その当時は佐藤康が羽生にタイトル戦でなかなか勝てなくて対戦成績がダブルスコアになっていた。自分が指せばそんな大負けしないとの自負もあった。当時渡辺はまだまだ怖いものしらずの若さに満ち溢れていた。今は羽生という大きな壁を身を持って実感してるに違いない。次はなんとか一矢報いたいところだ。