倉敷藤花戦第1局は挑戦者里見が先勝2008/11/10 23:42

里見女流が勝ちまくっている。今週の週刊将棋のトップはタイトル戦がなかったこともあり倉敷藤花戦第1局の写真が大きく載っている。これを見ると随分取材カメラが入っていたようだ。レディースオープントーナメントのときのフィーバー再燃を思わせる。他にも女流名人位戦、きしろ杯の記事など女流棋界は里見を中心とした新しい時代の幕開けを感じる。今期の成績を見ると、ここまで15勝1敗(0.9375)と驚異的な勝率を挙げている。たぶん今は誰と指しても負ける気がしないのだろう。これまで4連負と1度も勝ったことのない大敵清水に対しても勢いに乗って勝ち切った。倉敷藤花戦は3番勝負なのであと1勝で念願の初タイトルとなる。ただ第二局、第三局は倉敷での対局となり、場慣れしている清水が幾分有利である。

これほど注目されている対局にもかかわらずネット中継がされていない。今が旬の里見がタイトル戦初登場となれば、それだけでゼニの取れる将棋のはず。女流王将戦が休止になったように女流棋戦の予算がなかったのだろうが連盟は持ち出ししてでも配信すべきだった。たぶん連盟の理事はたかが女流のタイトル戦と見くびって大きな宣伝効果まで頭がまわらなかったのではないか。なんとももったいない話である。棋譜はネット上で見れないので週刊将棋に掲載されていたのを並べてみた。すると後手の里見は得意の中飛車から浮き飛車に構える。(図)おおっ、これは新戦法とほとんど同じ展開ではないか。自分で指しているような感じでつい応援したくなってくる。

棒金で抑え込まれる展開になって後手がちょっと苦しめ。しかし清水が攻め急いだところで中盤の腕力を発揮し、得意の終盤力で清水を圧倒した。強い勝ち方だったと思う。果たしてニューヒロインが誕生するかどうか。期待は大きくふくらむ。