マイナビ女子オープン第二局は甲斐が勝利2008/04/14 23:19

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マイナビ女子オープン決勝5番勝負の第二局が行われた。上のサイトで結果をチェックすると甲斐が勝って対戦成績を1勝1敗とタイに戻した。甲斐の後手番の作戦は大方の予想とおり流行のゴキゲン中飛車、先手の作戦は角交換から左美濃とじっくりした展開。マウスをクリックしながら棋譜を進めてみると、後手の好手△3六歩に対する▲4七金が指しづらい手。後手62手目の△4五銀と出て角を召しとったところでは後手がかなり優勢な局面といえる。しかし、そこからすんなりいかないのがプレッシャーのかかるタイトル戦なのだ。

この前の対局で矢内は女流王将戦への挑戦を決めた。自分でも調子がいいと思っているはず。ところが中盤の入口で劣勢に陥ってしまった。そこでどう踏ん張るかに女流名人の真価が問われる。逆に甲斐は優勢を感じて指し手は震えに震えていた。この将棋は勝てそうだ、負けたらどうしょうとの葛藤、勝負形に持ち込まれたくない、安全勝ちしたいという誘惑。矢内はそこを見透かすかのように最善の粘りで頑張る。しかし結局中盤でついた差は大きく最後まで逆転には至らなかった。鈴木八段の解説では「逆転か」とあるが128手目の△7七金と放り込んだ手が勝着でないかと思う。

これに対して▲同玉も▲同銀も即詰み。本譜のように▲9七玉しかないが、最後に金を打って自陣に手を入れたのが決め手となった。こういうのを見ると奨励会で修業した鍛えが入っている。両者は序盤はオーソドックスな展開で中終盤のねじり合いに勝負をかける似たタイプなので観戦するほうも面白い。