今日から名人戦が開幕する2008/04/07 23:53

先週号と今週号の週刊将棋を読むと、"共催"名人戦の特集記事が載っている。ご承知のように連盟、毎日、朝日のなかですったもんだした挙句、共催という奇手がひねり出された。今日から椿山荘で始まる名人戦はその総決算ともいえる晴れ舞台である。共催ということでこれまでと勝手の違うことも多い。立会人は一人だが副立会人はそれぞれの新聞社用にいる。これは主に主催者への解説を行う役割を担っているためだ。今回に限り万全を尽くすためとかで記録係も二人、和服の正装で臨む。立会人も豪華で永世名人、名人経験者、名人戦挑戦経験者だかりだ。(中村は除くが毎日主催の王将2期の実績を持つ)

と、ここまでは設営側の話で対局者にとって大きな影響はない。今回一番変更されたのがスケジュールだ。従来は1日目の5時半が封じ手時刻だったのが6時半に変更となった。必然的に1日目で局面が進んでしまう。さらに2日目の夕食休憩が30分短縮されている。これまでは名人戦は持ち時間が9時間なので戦いが深夜に及ぶこともあった。夕食休憩後に思わぬ悪手が飛び出してしまい劇的なドラマを生み出したこともある。今回は夕食休憩の時点ではかなり終盤の煮詰まった局面である可能性が高い。それが短縮によりどのような影響が出てくるのか、勝敗に直結するナニカが潜んでいるのか、見所の一つである。

森内と羽生の名人戦はこれで5度目となる。下馬評では圧倒的に羽生ノリであるが現実に先に永世名人の資格を得ているのは森内だ。お互い手の内はわかっているので力と力のぶつかり合いになるだろう。両者が必勝を期して臨む大舞台でどのような戦型を選ぶのかも注目である。今後の流行に大きな影響を与えるような新戦法でも披露してくれればさらに盛り上がること間違いない。