ワインロードのランナーたち ― 2009/06/10 23:46

亀地宏 ワインロ-ドのランナ-たち ― 十勝池田・自治と心のまちづくり 公人社 1992年10月 を読んだ。出版社の2004年3月の出版目録を見ると既刊のリストに載っているが、もしかするとすでに絶版かもしれない。略歴によると、亀地氏は地方自治をテーマとしたノンフィクションを何冊も著しているフリージャーナリストとある。「ワインをつくり、ワインのまち・池田町をつくりあげた人びとの苦闘の歴史を描き、自治を貫くとはどうすることかを考える。池田町に出会い、見守りつづけてきた著者が、まちづくりの先駆者たちの疾走を描く!」本書の内容を一言で言い尽くしている。そもそもこの本を手に取ったのは池田町のことを調査しようと図書館で検索をかけたところヒットした。先祖が内地からこの地に入植して移り住んだと聞いていたので町の歴史を知りたくなったのである。
実は子供のころ池田町の近隣の町に住んでいたことがある。当時十勝ワインの名くらいは耳にしていたはずだが、その歴史についてはまったく知らなかった。町役場という公営の立場で、ワイン作りを試行錯誤のなか、もがきながら進めていき、現在ではワインの町として確固たる地位を確立した。その苦難の道のりについては、町長、職員、関係への綿密な取材に基づき、元新聞記者らしく手堅い文章で描かれている。取材と執筆に数年かかったというが完成度が高く、さながらプロジェクトXのドキュメンタリを見ているような錯覚を受ける。素人同然の職員が自分たちで考え、議論し、繰り返し調査を行うことで可能性を探る。リーダーである町長は職員が持っている夢とロマンを引き出して見える形にする。そうすることで職員が自分の仕事に自信と誇りを持つようになる。
新たな事業を暗中模索のなかで実現に向かって突き進んでいくというのは共感するところが多い。後半の部分では陽の当たる部分だけではなく陰の部分にもするどくメスを入れているが、平成4年までのもの。本が出版されてもう17年も経っている。その後の池田町の地方自治はどのように歩んでいったのだろうか。文中で紹介されている遠い縁者もいるようだし一度は訪れてみたい。
実は子供のころ池田町の近隣の町に住んでいたことがある。当時十勝ワインの名くらいは耳にしていたはずだが、その歴史についてはまったく知らなかった。町役場という公営の立場で、ワイン作りを試行錯誤のなか、もがきながら進めていき、現在ではワインの町として確固たる地位を確立した。その苦難の道のりについては、町長、職員、関係への綿密な取材に基づき、元新聞記者らしく手堅い文章で描かれている。取材と執筆に数年かかったというが完成度が高く、さながらプロジェクトXのドキュメンタリを見ているような錯覚を受ける。素人同然の職員が自分たちで考え、議論し、繰り返し調査を行うことで可能性を探る。リーダーである町長は職員が持っている夢とロマンを引き出して見える形にする。そうすることで職員が自分の仕事に自信と誇りを持つようになる。
新たな事業を暗中模索のなかで実現に向かって突き進んでいくというのは共感するところが多い。後半の部分では陽の当たる部分だけではなく陰の部分にもするどくメスを入れているが、平成4年までのもの。本が出版されてもう17年も経っている。その後の池田町の地方自治はどのように歩んでいったのだろうか。文中で紹介されている遠い縁者もいるようだし一度は訪れてみたい。
最近のコメント