謎解き超常現象2009/06/07 06:44

http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/4883926869.html
ASIOS 謎解き 超常現象 彩図社 2009年5月 を入手した。著者のASIOSとは超常現象の懐疑的調査のための会とある。最後の著者紹介を見ると、と学会のメンバーも何人か含まれている。42の伝説を収録しているため各々のテーマにそれほどの深みはないが、章末に参考文献が挙げられており、さらに追及したい人のためのガイドブックになる。「はじめに」でASIOS会長の本城氏が書いている。「(海外での超常現象の調査をしている人たちの)誇張を排し、証拠をもとに真相に迫っていくその真摯な姿は、私に「これだ!」と思わせるに十分なもの」だったことから自分で超常現象を深く調べるようになった。懐疑とは、本当にそれが事実であるか、注意深く、客観的に立証を求めていく態度であり、ろくな調査なしに頭ごなしに否定しないのスタンスは共感できる。

自分も子供の頃はUFOとか超能力とか心霊写真とかテレビの特番を見るのが好きだった。確かに非現実的な世界の中に未知なる現象の存在を見るというのは科学で解明されていない謎としてロマンがある。テレビや子供向けの本などは作り手の作為がたっぷり盛り込まれており、どこまでが事実でどこまでが誇張されているか正しく判断できない。単なる話のタネであれば実害もないのだが、そういう疑似情報を子供の頃に深層に刷り込まれるとだんだん事実と虚構との区別がつかなくなってしまう。それが商業的なニーズと結びつくとオカルトを扱った雑誌が次々と登場し、内容も徐々にエスカレートしていく。手元には子供の頃に入手した雑誌、「UFOと宇宙」「エニグマ」「ムー」「トワイライトゾーン」「マヤ」「ワンダーライフ」他が残っている。

この本で取り上げられたテーマは昔ながらの伝説として語り継がれているものもある。予言に関しては最近の話題も盛り込まれている。本ブログで「ノストラダムス、2012年の預言」というテレビ番組のことを書いたらキーワード検索で一時的にアクセス数が増えた。そもそもマヤ暦のサイクルに過ぎない2012年が終末予言と関連付けて登場し始めたのは1999年の数年前だったはず。そこにフォトン・ベルト云々といった尾ひれがつくのはごく最近になってからのことだ。こういったニューエイジ思想は一部のノストラダムス本にも取り込まれている。『ノストラダムス新世紀予言』267頁には、銀河が星のリボン、フォトン・ベルトに突入するという予言絵画が紹介されている。22頁のカラー原画を見ると、単に水たまりで戯れるザリガニにしか見えないのだが・・・