竜王戦第四局は渡辺の逆転勝ちでようやく1勝2008/11/29 22:08

http://live.shogi.or.jp/ryuou/index.html
ここ2日ばかり出張でブログのほうは休んでいたが竜王戦の結果だけは携帯でチェックしていた。宿泊していたホテルではロビーに1台パソコンが設置されており、無料でインターネットを利用することができる。ただし1回の接続で10分しか使用できないソフトが入っていた。上のページにアクセスをして、短時間でざっと棋譜を並べてみたのだが、いったい何がどうなったか瞬時に把握ができなかった。渡辺が苦しそうな局面で1分将棋の中、打ち歩詰めでギリギリ凌ぎ切ったようである。どこで逆転したのか、よくわからない。さきほど帰宅してからもう一度棋譜を再現してみると、この将棋の終盤の迫力を改めて堪能することができた。昨年の竜王戦で流れを変えた△7九角を思い出す。

封じ手は予想が外れて△7六歩。これも▲7六同銀右の一手であるから一晩かけて十分に攻めの構想を練ったのだろう。52手目△9五歩と突いた手に対して▲7四角は相手の言いなりにはならないという強情な一手。56手目狙いの▲8三金と角を召し取ったところは先手陣が固くて後手難局と思われた。その後時間差攻撃で銀交換し後手の飛車が成り込んだが、先手のと金が大きく先手優勢ではないか。ところが渡辺は巧みな勝負術で玉自ら飛車取りと攻め駒を攻める。そして後手玉を寄せ切るか、入玉を果たせるかの勝負になる。ここまでの3局は羽生は終盤持ち時間に余裕があったが、今回に関しては難解な局面で1分将棋に突入。初めて終盤の競り合いの展開になった。

そして上図の△8九飛と打ったところがクライマックス。一目後手玉に詰みがありそうな局面。詰みはなくとも簡単な寄り筋がありそう。羽生が考え込んで持ち時間がなくなり1分将棋へ。局後の検討ではここで▲4七飛なら寄り筋だったという。しかしその手順は難解で簡明な勝ち筋とはいえない。渡辺のほうに運が残っていたというべきだろう。これで流れを変えることができるか。第五局の先手番は正念場だ。