レイヴァーのノストラダムス本の初版 ― 2008/11/06 23:48

ノストラダムス本の出版の流れを大まかに見ていくと、フランスでは1930年代が一つの転機になったと思われる。旧説に従っているとはいえ、文学者のジャック・ブーランジェのような客観的な紹介がなされたのもこの時期である。それに引っ張られてか、英語圏では1940年がノストラダムス・ブームのエポックになったのは疑いない。英国人のジェームズ・レイヴァーは1942年に"Nostradamus or The Future Foretold"(ノストラダムス或いは予告された未来)を出版した。第二版が1952年にペンギン・ブックスより、第三版が1972年にジョージ・マン・ブックスから出版されている。自分が最初に読んだのは1973年の再版で1981年版である。日本でも第四次ブームの折りにレイヴァーの本が『預言者ノストラダムス あらかじめ語られた未来』という題名で小学館文庫から出ている。
レイヴァーの名は山内雅夫氏の『世界の占星術とオカルチストたち』や高橋良典編著『世界大予言年表諸世紀の秘密』の参考文献で知った。丸善に注文してみたのだが、なかなか届かなかった。ジョージ・マンというのは出版社の名前だが、どうも係の人が著者名と間違えて手配したらしく調査したがそんな本は存在しませんと、つれない回答が返ってきた。それでも粘り強く交渉してなんとか入手できた、というおぼろげな記憶が残っている。今回届いた初版本はいろいろ興味深い点がある。レイヴァーの著作の一覧があるが、小説、伝記、美術、風刺詩、詩集と多彩である。ノストラダムスに対する関心はセーヌ河岸の古本屋で見つけたバレートの本からと本書の冒頭に書かれている。巻末の参考文献を見ると主要なノストラダムス文献をきっちり押さえてあり、解釈に際しては様々な発想を援用している。
各版の違いについてはベルケルのレポート(http://www.nostradamusresearch.org/en/ww2/laver-1942.htm)に詳しい。ただしベルケルは初版は持っていたがカバーなしだったようである。初版でまず気付いたのは冒頭のところに、書斎に座るノストラダムスの肖像が挿入されていることだ。後になって版を重ねるときにこれは省略された。あと参考文献で3冊増補したり、9章の「世界の終りに向けて」の最後の部分に改訂部分が見られる。当時レイヴァーの本は一応の評価を得たようだが、解釈の文脈にあわない、と判断した四行詩の原文をオミットしたりと結構姑息な手法も用いている。ちなみに邦訳は中山茂氏と中山由佳氏の共訳とあるが、実際にはノストラダムスに造詣のないお二人が下訳したものを解説者の佐々木氏がまとめ直したらしい。
レイヴァーの名は山内雅夫氏の『世界の占星術とオカルチストたち』や高橋良典編著『世界大予言年表諸世紀の秘密』の参考文献で知った。丸善に注文してみたのだが、なかなか届かなかった。ジョージ・マンというのは出版社の名前だが、どうも係の人が著者名と間違えて手配したらしく調査したがそんな本は存在しませんと、つれない回答が返ってきた。それでも粘り強く交渉してなんとか入手できた、というおぼろげな記憶が残っている。今回届いた初版本はいろいろ興味深い点がある。レイヴァーの著作の一覧があるが、小説、伝記、美術、風刺詩、詩集と多彩である。ノストラダムスに対する関心はセーヌ河岸の古本屋で見つけたバレートの本からと本書の冒頭に書かれている。巻末の参考文献を見ると主要なノストラダムス文献をきっちり押さえてあり、解釈に際しては様々な発想を援用している。
各版の違いについてはベルケルのレポート(http://www.nostradamusresearch.org/en/ww2/laver-1942.htm)に詳しい。ただしベルケルは初版は持っていたがカバーなしだったようである。初版でまず気付いたのは冒頭のところに、書斎に座るノストラダムスの肖像が挿入されていることだ。後になって版を重ねるときにこれは省略された。あと参考文献で3冊増補したり、9章の「世界の終りに向けて」の最後の部分に改訂部分が見られる。当時レイヴァーの本は一応の評価を得たようだが、解釈の文脈にあわない、と判断した四行詩の原文をオミットしたりと結構姑息な手法も用いている。ちなみに邦訳は中山茂氏と中山由佳氏の共訳とあるが、実際にはノストラダムスに造詣のないお二人が下訳したものを解説者の佐々木氏がまとめ直したらしい。
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