ルーヴィカンの司祭、ジャン・ルルー2007/07/18 00:37

グーグル・ブック検索で紹介した「ノストラダムスの鍵」は、本の表紙を見ても著者がpar un solitaire(一人の隠遁者による)としか書かれていない。手書きで追記があるようにルーヴィカンの司祭であるジャン・ルルーが著者であるのは研究家の間で疑問の余地がない。レオニもこの本を検討したらしく、こう書いている。「ルルーはノストラダムスがパリ大学教授フランシスクス・シルヴィウスが書いた雄弁術論(1528年)を読んでいたと確信している。もっとも優雅なラテン語を生み出す方法を詳述している。」ノストラダムスの四行詩の文体や言語はこの本から着想を得たというのが定説らしい。

1710年に出されたにも関わらず、現在でも予言集の体系的解読の権威と見なされている。「ノストラダムス予言の真実」の解説によると、ルルーの本は「文法、統語法、語彙について調査し、用いられている隠喩が聖書、神話、歴史のどこから引かれているかを検討している」。予言と事件をつき合わせたコジツケ的解釈に傾倒する本とは一線を画したもので、今日の学術的研究の走りといえるのではないか。469頁もの大著であるため詳細に内容を検討するには骨が折れそうだが、どなたかアウトラインを発表していただけないものか。

ルルーは予言集の解読がいかがわしい研究ではないと証明しようと学者のイメージの言葉遣いを用いたのだが、一方でアンリ二世への献呈書簡が実は同時代のルイ十四世に宛てたということを論証しようともした。この説は現代の信奉者の一部に引き継がれており、どうも胡散臭い雰囲気を感じてしまうのは残念なことだ。

セカンド就職のススメ2007/07/18 22:35

http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/4062723433.html
高野秀敏 セカンド就職のススメ 講談社+α新書 2005年 を読んだ。7月29日には参議院選挙が行われるということで、各政党の党首がテレビ出演する機会も多い。そのなかでよく耳にするのが年金問題、格差社会などのキーワードである。この本は縁やチャンスをつかみとって成功した人たち、つまり勝ち組ストーリーを示しながらセカンド就職を勧めている。この著者が主張しているように、自分にあったキャリアスタイルを発見し年収をアップする人もいるのだろう。それはほんの一握りのビジネスマンに過ぎない。本を読んでその気になって負け組に入ってしまうリスクだってあるわけだ。

そういう失敗をしないように「セカンド就職」に向く人と向かない人を振り分けたりしている。見事にキャリアアップできる、企業が求める人材とはどんな能力か。ここでは5つ挙げている。問題解決力、論理的思考力、コミュニケーション力、プロジェクト管理力、リーダーシップ。こうした能力を駆使して新たなビジネスモデルの構築が求められるのだ。確かに同じ職場にずっといるとこうした強みを発揮するのは困難なことが多い。そういった意味でも自分の強みを生かして転職を目指すというのも一つの選択肢なのだろう。この本はいろいろな教訓を挿入して丹念にアドヴァイスをしてくれる。

いよいよファイナルステージでは面接に合格するための必勝法を伝授している。そんな秘策があるのかって!?MUST(企業から求められるスキルと人物像)、WILL(自分の希望)、CAN(自分のできること、やってきたこと)の三つの輪を書いて交わったところが採用のチャンスだという。ほら、そろそろあなたも「セカンド就職」にその気になってきたのでは。でも昔から「うますぎるときは注意せよ」の格言もある。この本を読んで夢を実現しようと目指す人はくれぐれも慎重にチャレンジをしていただきたい。