王座戦第二局も羽生が制して防衛まであと1勝2007/09/23 23:38

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昨日王座戦第二局が行われ、先手の羽生王座が久保八段に勝って防衛まであと1勝と迫る貴重な勝ち星を挙げた。この模様は上のウェブサイト「NIKKEI NET 将棋王国」で棋譜とともに詳細がレポートされている。あたかも現地で観戦しているかのような情報量でスタッフの方にはお疲れ様と申し上げたい。日経の中継は竜王戦と並んで質、量ともに圧倒的である。リアルタイムで観戦していないとなかなか全部読むのは大変なほどだ。早くから独自の中継スタイルを築き上げた強みが感じられる。今後も是非このスタイルで良質な中継をお願いしたい。

さて肝心の将棋の内容は羽生が第一局に続いて相振り飛車を志向。しかし序盤そうそう乱戦模様でまったく見たことのない形になった。久保は後手番ながらかなり突っ張った指し方をしている。とてもこれが用意の作戦であるとは思えないが、相振り飛車の力戦形になれば経験値で自分に利があると踏んでいたのかもしれない。序盤つばぜり合いがあったが結局後手は変則的な中住まいに落ち着いて局面のバランスがとれている。控え室の検討では途中まで久保がやや優勢という託宣であったが、羽生の局面を複雑化する巧みな勝負術の術中にはまり無念の逆転負けを喫してしまったらしい。

どこがどうだったのか素人目にはよくわからないが85手目の▲7五角と桂馬と刺し違えたところでは先手も面白くなったのではないかと思う。98手目の△1九角成以降は後手玉が寄り筋に入った。終わってみれば羽生の強さが十分に発揮された一局といえる。防衛まであと1勝。