近代文化史入門―超英文学講義 ― 2007/09/18 23:14
http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/4061598279.html
高山宏 近代文化史入門―超英文学講義 講談社学術文庫 2007年 を読んだ。英文学の基礎はまったくわかっていないし、シェイクスピアは読んだことがなく唯一スウィフトの作品(ガリヴァー旅行記)くらいしか知らない。それで入門というタイトルに引かれて購入してみたが、著者のいう超英文学というものがどんなものか読んでいてもなかなか理解するのが難しい。話もこっちへ飛んだりあっちにいったりでなんとなくせわしない感じがする。文学史というジャンルにとらわれることなくその周囲にある背景にスコープを広げていこうという試みはなんとなく伝わってくるのだが。
この本にも視覚に訴えるための図版がたくさん挿入されているが、残念なことにモノクロなのでいまいちピンと来ない。最近飛行機に搭乗した際にANAの翼の王国を何気なく読んでいると「ピクチャレスク」という言葉が目に留まった。たまたまこの本のプロローグに出てきたのだが、どうも説明の焦点が定まっていない印象だった。翼の王国にはピクチャレスクのコレクターの記事が載っている。それによるとパリのセーヌの古い景色はフランス人画家の描いたものからは正確に追えない。18世紀のイギリス人画家がグランド・ツアーで大陸を訪れた際に書いた絵がカメラのファインダーを覗いたかのように長方形の世界観をなしている。
その構図には一見廃墟と見違えるばかりのセピア色の彩色のなかにセーヌいかかる橋と今にも動きだしそうな人々が配されている。なかなかうまく表現できないが、なるほどこういうのをピクチャレスクというのかと感心した。これはほんの一例であるが、他にも今後、ああこれはこういうことだったのかと思い起こすことが出てくるかもしれない。本当は19世紀の時代の英文学の周辺を知りたかったのだが、残念なことにこの本ではほとんど扱われていない。
高山宏 近代文化史入門―超英文学講義 講談社学術文庫 2007年 を読んだ。英文学の基礎はまったくわかっていないし、シェイクスピアは読んだことがなく唯一スウィフトの作品(ガリヴァー旅行記)くらいしか知らない。それで入門というタイトルに引かれて購入してみたが、著者のいう超英文学というものがどんなものか読んでいてもなかなか理解するのが難しい。話もこっちへ飛んだりあっちにいったりでなんとなくせわしない感じがする。文学史というジャンルにとらわれることなくその周囲にある背景にスコープを広げていこうという試みはなんとなく伝わってくるのだが。
この本にも視覚に訴えるための図版がたくさん挿入されているが、残念なことにモノクロなのでいまいちピンと来ない。最近飛行機に搭乗した際にANAの翼の王国を何気なく読んでいると「ピクチャレスク」という言葉が目に留まった。たまたまこの本のプロローグに出てきたのだが、どうも説明の焦点が定まっていない印象だった。翼の王国にはピクチャレスクのコレクターの記事が載っている。それによるとパリのセーヌの古い景色はフランス人画家の描いたものからは正確に追えない。18世紀のイギリス人画家がグランド・ツアーで大陸を訪れた際に書いた絵がカメラのファインダーを覗いたかのように長方形の世界観をなしている。
その構図には一見廃墟と見違えるばかりのセピア色の彩色のなかにセーヌいかかる橋と今にも動きだしそうな人々が配されている。なかなかうまく表現できないが、なるほどこういうのをピクチャレスクというのかと感心した。これはほんの一例であるが、他にも今後、ああこれはこういうことだったのかと思い起こすことが出てくるかもしれない。本当は19世紀の時代の英文学の周辺を知りたかったのだが、残念なことにこの本ではほとんど扱われていない。
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