王位戦第六局は羽生のゴキゲン中飛車に2007/09/10 23:32

http://www.tokyo-np.co.jp/igo-shogi/48oui/
深浦がタイトル奪取にあと1勝と迫った王位戦第六局の一日目が終わった。羽生が居飛車を選択すると角換わりになることが予想される。それではちょっと苦しいと思ったか今シリーズ初めての振り飛車戦となった。序盤29手目の▲6五銀と銀を出た手が深浦の用意の作戦と思われる。△5三銀と引かせて急戦を抑えて自分だけ7筋の位を取ってじっくりと指そうという狙いだ。決して勝ちを急がない深浦らしい落ち着いた構想といえる。これに対して羽生はすばやく銀冠を築いた後に40手目えいっと△2五桂と跳ねた。部分的にはよくある筋であるがこの場合8筋で1歩持たれるため桂損が必至となる。

封じ手の局面は先手が▲2六歩と打って桂馬を殺したところ。ただし桂を取ると2筋の歩が延びてくるのでそのタイミングが微妙なところだ。ここでの後手の指し手が難しい。自陣は低い陣形で形が決まっているので動かす駒がない。仮に△6四歩などと手待ちすると▲5六金から▲6八飛の筋が目に映る。となれば攻める手だが、浮き駒の金に狙いをつける△6九角は一目指してみたい。が▲4八飛と回られると△3七桂成に△2五歩と突きたいが角の退路がなくなるので一旦△1四角成が必要となる。すると▲4五歩と突かれて自信が持てない。

こうして見ると封じ手の局面は後手が少し指しづらいのかもしれない。勝敗が決するにはまだまだであるが、この数手がこの一局の勝負どころとなる。