王座戦第一局は相振り飛車の激戦を羽生が制す2007/09/06 23:42

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台風9号が来ている。電車から降りてちょっと外を歩いたら雨風で全身がずぶぬれになった。テレビをつけてもどこも台風速報が行われ航空機の欠航が報じられている。明朝はピークになるらしい。そんな中、王座戦が東京都内で行われた。とてつもない数字、15連覇中の羽生王座に挑戦するのは振り飛車党の久保八段。今が棋士人生で一番油が乗っているとき。ここでタイトルを取れないとずっと手が届かないかもしれない。久保は背水の陣で臨んでいることと思う。夕食後パソコンのスイッチを入れて王座戦サイトにアクセスするとすでに羽生勝ちが伝えられていた。

戦型は意外にも後手の羽生が相振り飛車を選択した。森内を破ったゲンのいい戦法、久保の三間飛車を警戒したのだろうか。序盤はゆっくりとした駒組になるかと思いきや39手目の▲7四歩で激しい将棋に突入した。後手玉が不安定で先手が穴熊に納まっているだけにアマチュアなら相当先手が勝ちやすいはず。しかし後手番は羽生、自陣に目もくれず手抜きで攻め合いに持ち込む。一目寄り筋かと思えるがなかなか難しい。74手目の△4五角の両取りはさすがに激痛で後手の勝ちになったかと思えたが、玉がほとんど裸だけに一手間違うとたちまち詰まされてしまう。

スリリングな終盤戦が続いたがなんとか羽生が凌ぎきった格好だ。投了図以降は▲6三銀と打てば一見詰みに見えるが以下△5一玉▲6一馬(△同玉は頭金まで)△4一玉で逃れている。難解な終盤戦を勝ち切る力はさすがである。