竜王戦挑戦者決定三番勝負は佐藤棋聖が先勝2007/09/04 23:53

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今期絶好調の木村と前期の疲れからかパッとしない佐藤との一戦は深夜に及ぶ熱戦の末佐藤がまず1勝目を挙げた。初参加のA級順位戦も3連勝と波に乗っている木村は勢いがある。最近は渡辺、深浦、久保と羽生世代以外からタイトル戦の挑戦者が出ている。木村もここはチャンスと見ているだろう。最大の難関である佐藤を打ち破れば渡辺へのリベンジが実現する。初タイトルも視野に入るところだ。戦型は後手佐藤の一手損角換わり、これに対して先手は1筋の位を取って右玉に構える。この形は相当先手の勝率が良かったはずだ。

しかし中盤戦の腕力にかけて佐藤の読みは誰にも負けない緻密さと力強さを秘めている。後手が飛車先交換にきたタイミングで▲4五歩から▲7七角と攻め込んで相当先手が面白いように思った。少なくとも後手を持って勝てる気がしない。ところが46手目の△3三桂が好手でその後は後手が良くなったらしい。きつねにつままれた感じがする。とはいえ勝ち切るにはまだまだ難しい局面が続く。94手目△4六香に▲4七歩で先手玉は即詰みのはずだった。でも読み切れない。110手目△2九金では△3五桂以下詰みがあった。

だが大勢には影響なく最後木村はなかなか投げきれず三手詰めの局面まで指して投げた。棋譜からも無念さが伝わってくる。三番勝負の初戦を先手番で落としたのは本当に痛い。しかも今期竜王戦では初の黒星。厳しくなったが次はなんとか踏ん張って挑戦者決定戦を盛り上げてほしい。