第68期名人戦・A級順位戦が終了、三浦が挑戦者に ― 2010/03/03 23:39
http://www.asahi.com/shougi/
昨日はA級順位戦の最終局が行われた。中継が見られないので、寝る前に朝日新聞のウェブにアクセスしたところ、高橋勝ち、谷川負けの結果が入っていたが、挑戦者も残りの降級者もまだ決まっていないようであった。朝、通勤電車のなかで確認すると、三浦が郷田に勝って7-2とし、初の名人戦挑戦者になったと出ていた。降級争いのほうは藤井負け、井上負けで結局井上に決定。最終局勝っていれば助かっていただけに無念であろう。逆に藤井は首の皮一枚でなんとか留まったといえる。かなり前になるが、A級順位戦最終日は棋友が将棋会館の解説を聞きに行って、棋譜をメモしたのをメールで送ってくれたのが思い出される。残念ながら、今は昔のようなワクワク感は薄れている。
こういっては何だが、このところA級のメンバーはほとんど入れ替わりがなく新味に乏しかった。B級1組から昇級してもその厚い壁に阻まれてなかなかA級に定着するのが難しいからだ。そういった意味では佐藤の降級は意外だったし、最年長高橋の活躍はまったく予想外であった。もっとも高橋の評判は若手棋士のなかでは高いようで素人の色眼鏡で見たのを恥じなければならない。来期はB1からタイトルホルダーの渡辺と久保が上がってくる。今の二人の勢いからしてA級から降級するとはちょっと考えにくい。そうなれば佐藤に続いて羽生世代の誰かがイス取りゲームからはじかれる可能性が高い。あるいは順位戦の敗戦で7連敗を喫した谷川も相当な危機感があるだろう。最終戦の1敗で順位が4枚落ちてしまったのは痛い。
来期渡辺がすんなり挑戦というのは難しいだろうが、久しぶりに面白い展開になりそうである。挑戦が決まった三浦は、はるか昔に羽生の七冠の一角を崩したとはいえ、ここまでそれほど目立った活躍がなかった。この千載一遇のビッグチャンスをモノにできるかどうか、これから羽生対策の研究に邁進することだろう。
昨日はA級順位戦の最終局が行われた。中継が見られないので、寝る前に朝日新聞のウェブにアクセスしたところ、高橋勝ち、谷川負けの結果が入っていたが、挑戦者も残りの降級者もまだ決まっていないようであった。朝、通勤電車のなかで確認すると、三浦が郷田に勝って7-2とし、初の名人戦挑戦者になったと出ていた。降級争いのほうは藤井負け、井上負けで結局井上に決定。最終局勝っていれば助かっていただけに無念であろう。逆に藤井は首の皮一枚でなんとか留まったといえる。かなり前になるが、A級順位戦最終日は棋友が将棋会館の解説を聞きに行って、棋譜をメモしたのをメールで送ってくれたのが思い出される。残念ながら、今は昔のようなワクワク感は薄れている。
こういっては何だが、このところA級のメンバーはほとんど入れ替わりがなく新味に乏しかった。B級1組から昇級してもその厚い壁に阻まれてなかなかA級に定着するのが難しいからだ。そういった意味では佐藤の降級は意外だったし、最年長高橋の活躍はまったく予想外であった。もっとも高橋の評判は若手棋士のなかでは高いようで素人の色眼鏡で見たのを恥じなければならない。来期はB1からタイトルホルダーの渡辺と久保が上がってくる。今の二人の勢いからしてA級から降級するとはちょっと考えにくい。そうなれば佐藤に続いて羽生世代の誰かがイス取りゲームからはじかれる可能性が高い。あるいは順位戦の敗戦で7連敗を喫した谷川も相当な危機感があるだろう。最終戦の1敗で順位が4枚落ちてしまったのは痛い。
来期渡辺がすんなり挑戦というのは難しいだろうが、久しぶりに面白い展開になりそうである。挑戦が決まった三浦は、はるか昔に羽生の七冠の一角を崩したとはいえ、ここまでそれほど目立った活躍がなかった。この千載一遇のビッグチャンスをモノにできるかどうか、これから羽生対策の研究に邁進することだろう。
第35期棋王戦は佐藤が勝って2-1、奪取にあと1 ― 2010/03/08 23:37
http://live.shogi.or.jp/kiou/
今、中国に海外出張中で宿泊のホテルからこれを書いている。ホテルからのインターネット接続は有料で1時間接続で60元(900円)と結構お高い。これを書いている間にも後15分程度しか残っていない。1-1のタイで迎えた第35期棋王戦第三局は日曜にネット中継されている。結果は佐藤が勝ち切って2-1と棋王の復位まであと1勝となった。ここまで来たらA級陥落をタイトル奪取で振り替えたいところ。戦型は予想された久保の石田流三間飛車。両者はお互いに妥協がしないタイプなので序盤から急な展開になることが多い。本局も見たことのない力戦形となった。
薄い玉形ながらも後手が自陣飛車で凌ぐ。74手目△5一銀が決め手のようで後手の勝ち筋になったようだが、こういった勝ち方ができるのは佐藤の調子が上向いてきた証拠であろう。次は久保の後手番なのでエースのゴキゲン中飛車が予想されるが、佐藤が序盤でどういった工夫をするか見ものである。
今、中国に海外出張中で宿泊のホテルからこれを書いている。ホテルからのインターネット接続は有料で1時間接続で60元(900円)と結構お高い。これを書いている間にも後15分程度しか残っていない。1-1のタイで迎えた第35期棋王戦第三局は日曜にネット中継されている。結果は佐藤が勝ち切って2-1と棋王の復位まであと1勝となった。ここまで来たらA級陥落をタイトル奪取で振り替えたいところ。戦型は予想された久保の石田流三間飛車。両者はお互いに妥協がしないタイプなので序盤から急な展開になることが多い。本局も見たことのない力戦形となった。
薄い玉形ながらも後手が自陣飛車で凌ぐ。74手目△5一銀が決め手のようで後手の勝ち筋になったようだが、こういった勝ち方ができるのは佐藤の調子が上向いてきた証拠であろう。次は久保の後手番なのでエースのゴキゲン中飛車が予想されるが、佐藤が序盤でどういった工夫をするか見ものである。
第59期王将戦第5局は久保の石田流 vs 居飛車銀冠 ― 2010/03/10 23:38
http://mainichi.jp/enta/shougi/
中国出張は今週の土曜日まで。これで4日間過ごしたが中国語がさっぱりわからないので不便も感じている。その分、気を使ってくれる人も多くありがたい限りだ。そうこうしている間に王将戦第5局の一日目が終了した。上のサイトで棋譜を並べてみるが時間もないので細かく追う余裕がない。久保はここまで3-1と星2つ先行している。しかし本局の先手番で返されると次は後手番。羽生の底力を出させる前に決着をつけたいところ。久保は予想通りローテーションに従い先手三間飛車から石田流を狙うが、後のない羽生は急戦をさけて割とゆっくりした展開を選択し銀冠の堅陣に構えた。
ホテルのネット接続の持ち時間が少ない(今は1時間の設定)ので封じ手を考えてみる。自然な手は△6五同歩に▲同銀△6二飛が想定される。先手玉は囲いがすでに完成しているので強い戦いが可能だが果たしてうまくさばくことができるか。
中国出張は今週の土曜日まで。これで4日間過ごしたが中国語がさっぱりわからないので不便も感じている。その分、気を使ってくれる人も多くありがたい限りだ。そうこうしている間に王将戦第5局の一日目が終了した。上のサイトで棋譜を並べてみるが時間もないので細かく追う余裕がない。久保はここまで3-1と星2つ先行している。しかし本局の先手番で返されると次は後手番。羽生の底力を出させる前に決着をつけたいところ。久保は予想通りローテーションに従い先手三間飛車から石田流を狙うが、後のない羽生は急戦をさけて割とゆっくりした展開を選択し銀冠の堅陣に構えた。
ホテルのネット接続の持ち時間が少ない(今は1時間の設定)ので封じ手を考えてみる。自然な手は△6五同歩に▲同銀△6二飛が想定される。先手玉は囲いがすでに完成しているので強い戦いが可能だが果たしてうまくさばくことができるか。
第59期王将戦第5局は羽生が底力を出して2-3に ― 2010/03/12 23:59
http://mainichi.jp/enta/shougi/
今も宿泊中のホテルの部屋から接続している。先ほど最後のイベントが終了して、これでようやく帰国することができる。1週間は短いようで結構長く感じられた。後になって振り返れば、貴重な経験をさせてもらえたと思えるのだろうか。
一日置いてしまったが第59期王将戦第5局は羽生が勝ってなんとかカド番を凌いだ。解説を読むと、終盤の最後の最後まで難解な将棋で、久保にも勝つチャンスがあったという。しかし羽生の勝負強さは尋常ではない。タイトルを12期も重ねてきた、とてつもない実績は伊達ではない。勝ちが見えたのが、投了のわずか3手前というのが激戦を物語っている。久保はあと1勝と迫っただけに本局を落としたのは痛い。とはいえまだひとつ先行している。タイトルを奪取するというよりも羽生という大きな壁を一度でも乗り越えてみよう、そんなメンタル面でのコントロールが結果につながってくるはずだ。
対して羽生は本局の後手番を凌いで次は先手番。やはり潜在的な底力は十分である。封じ手の△5四歩はまったくの予想外の一手。その後久保が自陣の堅陣を頼りに一方的に攻めるが、羽生の受けの前に攻めあぐんだ。中終盤は往年の羽生マジックの雰囲気が漂っていたような感じである。次局はもう少し指し手をじっくりと鑑賞してみたい。
今も宿泊中のホテルの部屋から接続している。先ほど最後のイベントが終了して、これでようやく帰国することができる。1週間は短いようで結構長く感じられた。後になって振り返れば、貴重な経験をさせてもらえたと思えるのだろうか。
一日置いてしまったが第59期王将戦第5局は羽生が勝ってなんとかカド番を凌いだ。解説を読むと、終盤の最後の最後まで難解な将棋で、久保にも勝つチャンスがあったという。しかし羽生の勝負強さは尋常ではない。タイトルを12期も重ねてきた、とてつもない実績は伊達ではない。勝ちが見えたのが、投了のわずか3手前というのが激戦を物語っている。久保はあと1勝と迫っただけに本局を落としたのは痛い。とはいえまだひとつ先行している。タイトルを奪取するというよりも羽生という大きな壁を一度でも乗り越えてみよう、そんなメンタル面でのコントロールが結果につながってくるはずだ。
対して羽生は本局の後手番を凌いで次は先手番。やはり潜在的な底力は十分である。封じ手の△5四歩はまったくの予想外の一手。その後久保が自陣の堅陣を頼りに一方的に攻めるが、羽生の受けの前に攻めあぐんだ。中終盤は往年の羽生マジックの雰囲気が漂っていたような感じである。次局はもう少し指し手をじっくりと鑑賞してみたい。
第59期王将戦第六局はゴキゲン中飛車の超急戦へ ― 2010/03/16 23:58

http://mainichi.jp/enta/shougi/
3月6日土曜日にようやく三亜から日本に戻った。宿泊場所だったマンドリン・オリエンタルという豪華ホテルを、朝5時にタクシーで出発。三亜空港から国内便で広州へ。広州空港経由で成田空港に着いたのが15時半、そこから空港バスに乗り込み、帰宅したのが夜の8時近くになっていた。ずっと飛行機で身動きできずに座り放しでさすがに腰が痛くなった。
日本を留守にしている間にも将棋界は動いている。本日から第59期王将戦第六局が始まった。ここまで久保が3-2とリードしているが、第五局は羽生がカド番を凌いで防衛に向けてエンジンをかけ始めている。久保の作戦はわかりやすい。先手なら早石田、後手ならゴキゲン中飛車、このパターンを続けていくと当然研究で狙われやすい。それに十分対抗できるだけの研究に関して、久保は揺るぎない自信を持っているのだろう。
本局は羽生の誘導によりゴキゲン中飛車の超急戦の展開に突入。普通なら序盤から目が離せないところといいたいのだが、実際には定跡化された手順が続き、前例のある変化を踏襲している。解説によると先手▲5八金右の局面は二人の対戦で5回出現しておりすべて羽生が勝っている。久保が羽生を越えるには避けて通れない道といえる。最近は先手のほうが少し分が悪いようにも思われているが、羽生があえてこの形を選んだからには何か用意の一手があるのだろう。もちろんそれが一日目でお披露目されることはなく、封じ手の微妙な駆け引きのなかで新手をチラつかせる、そこが勝負の呼吸でもある。
封じ手の局面は、後手が先手の急所の桂馬を香車で取ったところ。次の一手は間違いなく▲5五同歩であろう。以下、△8一銀▲6五香打が想定される有力な変化。そこで後手がどう受けるか、相当手が広い。おそらくこの辺りではお互いに1時間を超える長考の応酬が見られるのではないか。
3月6日土曜日にようやく三亜から日本に戻った。宿泊場所だったマンドリン・オリエンタルという豪華ホテルを、朝5時にタクシーで出発。三亜空港から国内便で広州へ。広州空港経由で成田空港に着いたのが15時半、そこから空港バスに乗り込み、帰宅したのが夜の8時近くになっていた。ずっと飛行機で身動きできずに座り放しでさすがに腰が痛くなった。
日本を留守にしている間にも将棋界は動いている。本日から第59期王将戦第六局が始まった。ここまで久保が3-2とリードしているが、第五局は羽生がカド番を凌いで防衛に向けてエンジンをかけ始めている。久保の作戦はわかりやすい。先手なら早石田、後手ならゴキゲン中飛車、このパターンを続けていくと当然研究で狙われやすい。それに十分対抗できるだけの研究に関して、久保は揺るぎない自信を持っているのだろう。
本局は羽生の誘導によりゴキゲン中飛車の超急戦の展開に突入。普通なら序盤から目が離せないところといいたいのだが、実際には定跡化された手順が続き、前例のある変化を踏襲している。解説によると先手▲5八金右の局面は二人の対戦で5回出現しておりすべて羽生が勝っている。久保が羽生を越えるには避けて通れない道といえる。最近は先手のほうが少し分が悪いようにも思われているが、羽生があえてこの形を選んだからには何か用意の一手があるのだろう。もちろんそれが一日目でお披露目されることはなく、封じ手の微妙な駆け引きのなかで新手をチラつかせる、そこが勝負の呼吸でもある。
封じ手の局面は、後手が先手の急所の桂馬を香車で取ったところ。次の一手は間違いなく▲5五同歩であろう。以下、△8一銀▲6五香打が想定される有力な変化。そこで後手がどう受けるか、相当手が広い。おそらくこの辺りではお互いに1時間を超える長考の応酬が見られるのではないか。
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