第59期王将戦第六局はゴキゲン中飛車の超急戦へ2010/03/16 23:58

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3月6日土曜日にようやく三亜から日本に戻った。宿泊場所だったマンドリン・オリエンタルという豪華ホテルを、朝5時にタクシーで出発。三亜空港から国内便で広州へ。広州空港経由で成田空港に着いたのが15時半、そこから空港バスに乗り込み、帰宅したのが夜の8時近くになっていた。ずっと飛行機で身動きできずに座り放しでさすがに腰が痛くなった。

日本を留守にしている間にも将棋界は動いている。本日から第59期王将戦第六局が始まった。ここまで久保が3-2とリードしているが、第五局は羽生がカド番を凌いで防衛に向けてエンジンをかけ始めている。久保の作戦はわかりやすい。先手なら早石田、後手ならゴキゲン中飛車、このパターンを続けていくと当然研究で狙われやすい。それに十分対抗できるだけの研究に関して、久保は揺るぎない自信を持っているのだろう。

本局は羽生の誘導によりゴキゲン中飛車の超急戦の展開に突入。普通なら序盤から目が離せないところといいたいのだが、実際には定跡化された手順が続き、前例のある変化を踏襲している。解説によると先手▲5八金右の局面は二人の対戦で5回出現しておりすべて羽生が勝っている。久保が羽生を越えるには避けて通れない道といえる。最近は先手のほうが少し分が悪いようにも思われているが、羽生があえてこの形を選んだからには何か用意の一手があるのだろう。もちろんそれが一日目でお披露目されることはなく、封じ手の微妙な駆け引きのなかで新手をチラつかせる、そこが勝負の呼吸でもある。

封じ手の局面は、後手が先手の急所の桂馬を香車で取ったところ。次の一手は間違いなく▲5五同歩であろう。以下、△8一銀▲6五香打が想定される有力な変化。そこで後手がどう受けるか、相当手が広い。おそらくこの辺りではお互いに1時間を超える長考の応酬が見られるのではないか。