第三期マイナビ女子オープン第一局は甲斐が1勝目2010/03/28 23:47

http://mynavi-open.jp/
今日はまさに女流将棋日和であった。今朝届いた週刊将棋の23、24面は里見女流名人の表彰式の記事が載っている。里見でなかったらおそらく名人挑戦者の三浦のインタビューが来るはずである。午前中のNHK将棋番組を見ると、毎年恒例の女流トップのNHK杯本戦への出場決定戦が行われていた。例年は出場者枠は1名、それを女流タイトルホルダーで争うのだが、来期は60回という記念大会で女流枠が2つという。現況のタイトル勢力は里見と清水が二冠、矢内が一冠なので3名で2枠を争うことになる。初戦は里見-矢内、勝者は即出場決定。ここで敗れても次の清水との対局に勝てば出場となる。里見-矢内戦、里見の作戦はオーソドックスな5筋位取り中飛車。対する矢内は珍しい居飛車穴熊を選択。ゴキゲン中飛車対策として居飛穴が最近の流行である。

中飛車の銀を▲4六銀と使い、自分も穴熊に囲う将棋が多いが里見は早めに銀冠に構える。後手の△6三銀△7三桂の形は居飛穴に不慣れな感じを受ける。本戦と違い、NHK杯の予選のルールによるため持ち時間20分、それが切れると、あとは考慮時間なしの30秒。終盤は流石というべきか、里見のしっかりした指し廻しが光った。第二局は矢内が後手番一手損角換わり、見たこともない力戦形となったが、最後は矢内が秒読みでボロボロ、自滅した印象である。これで清水が本戦出場決定。この将棋を見ていると女流に本戦の2枠は多すぎると思える。NHK杯も他の棋戦と同様に予選にエントリーすると、ほとんど出場の機会はないだろう。女流が2枠ということはその分棋士の枠は減る。本来なら若手棋士が出場できる機会を与えたいところだ。本戦では里見は小林(裕)、清水は堀口(一)との対戦が決まっているが突破は厳しい。

NHKで2連敗した矢内はマイナビの第一局で甲斐と対戦。ここでもゴキゲン中飛車に対して居飛穴を選択。やはり序盤の組み方にぎこちなさを感じてしまう。それでも中盤力を発揮して必勝の局面を迎えるが決め手を逃してしまう。104手目△4六角がおそらく敗着であろう。先手に▲3七歩と打たれて先手玉がまったく寄らなくなった。以下は先手の着実な寄せを見るばかり。矢内は今日一日で三敗と非常に厳しい結果となった。女流名人位戦A級を陥落するなど本調子とはいえない。挑戦者の甲斐が先行したことで面白くなった。矢内はここが踏ん張りどころ。第二局に向けてもう一度立て直してほしいものだ。