第57期王座戦は羽生が三連勝で防衛、十八連覇達成2009/09/25 23:52

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とてつもない強さとしかいいようがない。羽生王座に若手期待のホープ山崎が挑戦する王座戦は、3連勝であっさり防衛を果たした。何度も繰り返すようだが、その記録は空前絶後である。5期連続の3連勝、18連覇の偉業である。タイトル戦に出てくる挑戦者は誰もが過酷なトーナメントを勝ち上がってきた実力者で、さらに勢いに乗ったものばかりである。そんな相手に15連勝とは普通では考えられない。どうしてこれほどまでに王座戦と相性がいいのか、おそらく羽生本人もわかっていないのではないか。今回は満を持してタイトル戦に初登場した山崎七段、通算勝率は7割近い高率で今が一番脂の乗っている時期と見る。しかし、羽生は3局とも将棋の内容でも圧倒してしまった。

本局は山崎の先手。得意の相掛かりを目指すが羽生は最近多用している横歩取り△8五飛戦法に誘導する。今回は解説陣に本家の中座がいることに加えて、山崎は中座飛車に対して新山崎流という指し方を得意としている。この新山崎流は優秀な戦法で一時期△8五飛車戦法が激減したほどの威力を誇っていた。それを本家本元にぶつけたのは、羽生に研究テーマの局面があるからに相違ない。あるいは2局目まで力を出し切れない若手に対して得意戦法で存分にぶつかってきなさいとのメッセージも含んでいるのかもしれない。序盤開始そうそう飛車交換になったが、40手目△3三銀と桂馬の利きに逃げたのが試したかった手ではないか。

そして問題の一手45手目▲1六歩が疑問である。ただでさえ角を切ってくるところに一手をかけて催促する価値があるのだろうか。それでも55手目▲3八歩が好手で難しい形勢に思えた。ところが羽生は中盤の読みの力で一気に抜き去ってしまう。最後は羽生の手堅い収束を見るばかり。山崎は無念の完敗となった。思わず口に出してしまうが、王座戦の羽生は強すぎる・・・