第59期王将戦第5局は羽生が底力を出して2-3に2010/03/12 23:59

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今も宿泊中のホテルの部屋から接続している。先ほど最後のイベントが終了して、これでようやく帰国することができる。1週間は短いようで結構長く感じられた。後になって振り返れば、貴重な経験をさせてもらえたと思えるのだろうか。

一日置いてしまったが第59期王将戦第5局は羽生が勝ってなんとかカド番を凌いだ。解説を読むと、終盤の最後の最後まで難解な将棋で、久保にも勝つチャンスがあったという。しかし羽生の勝負強さは尋常ではない。タイトルを12期も重ねてきた、とてつもない実績は伊達ではない。勝ちが見えたのが、投了のわずか3手前というのが激戦を物語っている。久保はあと1勝と迫っただけに本局を落としたのは痛い。とはいえまだひとつ先行している。タイトルを奪取するというよりも羽生という大きな壁を一度でも乗り越えてみよう、そんなメンタル面でのコントロールが結果につながってくるはずだ。

対して羽生は本局の後手番を凌いで次は先手番。やはり潜在的な底力は十分である。封じ手の△5四歩はまったくの予想外の一手。その後久保が自陣の堅陣を頼りに一方的に攻めるが、羽生の受けの前に攻めあぐんだ。中終盤は往年の羽生マジックの雰囲気が漂っていたような感じである。次局はもう少し指し手をじっくりと鑑賞してみたい。