人類滅亡大全2009/11/30 23:49

http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/4862484530.html
日曜日散髪に行った帰りに、紀伊国屋書店で何気なく雑誌『ムー』を立ち読みしていると、11月25日発売の『人類滅亡大全』というムックの宣伝が目に留まった。もう発売されているのか・・・、どのような内容だろうとムックのコーナーにまわって手に取ってみた。表紙には『人類滅亡大全 ― 2012年人類は本当に滅びるのか?』洋泉社mookとある。表紙に小さく、映画『2012』滅亡大図解!、映画の便乗本であるのは一目瞭然である。頁をめくると巻頭のところに「滅亡研究会 代表/梅田勝司」とある。そんな研究会があるとは寡聞にして知らなかった。「滅亡情報ブログ」なるものもあるらしい。このムックを見てちょうど1年ほど前に出版された『大予言検証 2012年人類滅亡は訪れるのか!?』を思い出した。こちらの執筆は「21世紀未来予言研究会」となっている。世の中にはいろいろな研究会があるものである。

本の裏表紙を見ると「ノストラダムスの大予言と2012年滅亡説はここが違う」とドカンとアドバルーンを揚げている。4頁の「日本で起きたノストラダムスブームの歴史を追う!」といった記事でノストラダムスに言及している。そこには1973年当時に五島勉氏のベストセラー本で紹介されたセピア色の恐怖の大王解釈が蒸し返されている。次々と五島氏の過去の荒唐無稽な解釈を並べたてる。そうしてコンピュータの2000年問題のような現実の危機とともに1999年人類滅亡はリアリティを失ったと、まとめている。「2012年は何が起こる!?」では2012年の予言として『ノストラダムスの大予言・中東編』からアーサー・クロケットの四行詩を引用している。今更「ノストラダムスの2012年予言を発掘!」といわれてもクロケット本がインチキであることはすでに指摘されている。都合のいい部分だけをつまみ食いしているといわれても仕方ないだろう。

映画『2012』の宣伝の後には、人類滅亡のシナリオのアイテムがこれでもかとテンコ盛りである。それこそ科学的な危機要因からトンデモの陰謀論まで玉石混淆である。ところどころレトロなイラストを盛り込みながらわかりやすく編集されているが、1260円の価格に見合う内容かといえば手に取って判断していただくしかない。