映画「2012」を観に行った2009/11/23 23:39

http://www.sonypictures.jp/movies/2012/
先週は金土と札幌への出張、昨日はお歳暮でデパートへ、三連休の最後の日に映画「2012」を観に行った。10時30分に始まり、終わったのが13時と2時間半もの超大作である。タイトルにある2012とはマヤ文明が予言したという世界の終末とリンクしている。見所は世界の終末がどのような情景で描かれているか、人類が終末に対してどう立ち向かうのか、離れ離れになっていた家族の絆ということになろう。人類滅亡というテーマは重苦しいものであるけれども、主人公のジャクソンがいかにして死に直面した絶体絶命の危機から脱するかというのはハラハラドキドキ、娯楽映画として楽しめる。この映画では人類が終末を迎える要因をポールシフトとしている。

日本でも1980年に刊行されたジョン・ホワイトの"POLE SHIFT―Predicitions and Prophecies of the Ultimate Disaster"(極移動―大天災の予測と予言)邦訳『地球の最期を予測する』で科学と予言の両側面からこのテーマを扱っている。ホワイトの挙げる科学的予測は30年近く前のものである。映画のなかに出てくる科学は最新のデータを取り込んだものだろう。映画の元ネタかどうかは定かではないが、アダム・バーバーが1955年に出版した『近づく大天災―水爆以上の威力』という小冊子を思い浮かべる。「次回の極移動が起きて、地球が大洪水に見舞われるのは、今から50年以内の12月21日か6月21日であろう」なぜこの日付を出したのかわからないが奇しくもマヤの12月21日に一致し、年数も近い。さらにバーバーのシナリオは「2012」に類似しているものが多い。

極移動の被害を被らない地点を中国奥地としていたり、国連がこの大異変に備えて組織した世界政府の指揮によるとか、母船には近代的な機械類や科学的な装置が十分積み込んである、など。未曽有の災害に備える人類の選択肢は現代版ノアの方舟であり、人の想像力というのはたいして変わり映えがしないものらしい。映画では選ばれた人間がアフリカの喜望峰を目指すという、一応ハッピーエンドで終わるのだが、その後の展開もバーバーの空想的な予測に見られる。興味のある人はホワイトの本を読んで見られたらどうか。